鏡の中の左利き

鏡の中の左利き―鏡像反転の謎

鏡の中の左利き―鏡像反転の謎


「右利きの人が鏡に映ると、鏡の中の像は左利きに見える。このように左右は逆転するのに、上下が逆転しないのは何故か」という、古くからある命題に答えるべく、丁寧な解説とわかりやすい図を使ってひとつひとつ関連事象を説き明かしていく。そんな本。


 まあ、「左右が反転して見えるのは、人間が左右対称な形をしてるからだろ」くらいまでなら私も考えた事があったわけですが、そこから更に3歩も4歩も踏み込んでいく展開はなかなか刺激的でした。
 車の運転中、バックミラーを見ている時には左右が反転してるとは感じない、とか。指摘がいちいち綿密かつ的確で、意外に深い鏡像問題に感心しながら読み終えました。


 まあ、ここで知った知識とか知見でどうなるかっていったら、せいぜい雑学くらいにしかならないわけですが(笑)。でも、有用無用考えず、考えて知る楽しみに身を任せるのが読書の楽しみだしね。
 そういう意味では、非常にオススメ。