『新機動戦記ガンダムW フローズン・ティアドロップ』3〜4
新機動戦記ガンダムW フローズン・ティアドロップ (3) 連鎖の鎮魂曲 (上) (角川コミックス・エース)
- 作者: 隅沢 克之
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/06/24
- メディア: コミック
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新機動戦記ガンダムW フローズン・ティアドロップ (4) 連鎖の鎮魂曲 (下) (角川コミックス・エース)
- 作者: 隅沢克之,矢立肇,富野由悠季
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/10/23
- メディア: コミック
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すごく楽しんで読みました。
設定的な突っ込み所は少なくないのですが、まぁそれは『ガンダムW』本編もそうだったので(笑)。むしろ登場人物たちの魅力を損なわないまま、こうして続編を活き活き作れてる事がすべてなんじゃないかなと。
3巻は、とにかくキャスリン・ブルームの登場が嬉しかったなぁ。
W本編でもキャスリンは好きなキャラの一人で、ナイフ投げ姿に「ふつくしい……」的に見入ってたというのもあるんですけど(笑)、それだけじゃなく、あの変人揃いのW世界で、例外的に真っ当な感性で共感できるセリフが多くて、結果的にそれがトロワをどうにか真人間の領域に引き留めてた感じがして……とにかく、個人的に名脇役だったのです。
それがいつの間にか、美人の戦術教官みたいな形で再登場してきたんですけど、イメージ的な違和感はあんまり感じなくて。むしろ火星圏機関間際の救助エピソードなんかで、さらにキャスリンの株があがったりして。
4巻では、デュオさんが火星で意外に荒れた生活してたのが意外でしたが。
しかし何と言っても終盤の五飛ですよ。以前から公言しているように、私はミハルとプルと五飛とトレーズ閣下は名前を聞いただけで血圧上がるという人なので、もう五飛の活躍シーンが俺得過ぎてニヤニヤしっぱなしでした(笑)。
しかも、戦闘終了後に、「違う、キャシィ准佐……オレは弱かった」「ナタクは、こんなオレを認めてはくれない(ナタクは漢字)」とか言うところで、もう最高すぎて身悶えました。ええ。
よくオタク用語で、萌え転がるとか、ブヒるという言い回しがありますが、その感覚が初めて実感できましたよ本当に。五飛、お前って奴はー!! とか一人で盛り上がって大変でした。
五飛のどこが好きかってですね。彼は「弱い者が戦うな!」みたいな他罰的な言い回しばかりが印象に残るんですけど、「弱い者が戦」ってはいけない以上、今戦っている自分は絶対に強くなきゃいけないという信念もそれ以上に強くて、だからW本編でトレーズに生身の勝負で敗れた後、ドン凹みするわけです。
それでもう、徹底的な克己心で尖って行って、しかも「正義はオレが決める」わけです。100人いたら99人が道を外しそうなそういう道を、克己心だけで踏み渡っていくわけですよ。危なっかしいし、そのせいでエンドレスワルツではヒイロと戦ったりもするんだけど、そういう信念の人だからトレーズ閣下も最後の相手に五飛を選んだわけで、もう本当にガンダムWの真の主役は五飛だと思ってるの私(笑)。
で、そんな少年時代の危なっかしい真っ直ぐさをさ、もう30面さげてるだろうフローズンティアドロップ劇中でも、まったく変えずにいるわけですよ。機体を磨きに磨きまくったせいでZEROシステムの予測すら上回ったとかどういう事だよって話なんですけど、とにかく五飛のそういう不器用な一途っぷりがね、もう愛しくて愛しくてしょうがないわけで(笑)。
しかもそういう五飛が、最後にキャシィ准佐に「オレにコーヒーを淹れてもらえるか?」とかデレて来るんだから、これはもうたまらんのですw マジに身悶えたよw
さらにさらに、「お砂糖とミルクはいかがいたしますか?」という問いに、「両方とも頼む。たっぷりとな……」ですよ! 先代デュオ(ファザー・マックスウェル)だったらカッコつけてブラックコーヒー頼むんだろうけど、五飛はそういう所で変にカッコつけないんだよね。根は少年のままなんだもん。そこがまた最高すぎて、もう本当にどうしようかと。
いやぁ、とにかく最高でした。本編のキャラの魅力をさらに上昇させる続編って最高なんですけど、そういう意味で素晴らしい作品だと思います。またこの作品の新規登場人物たちも活き活きしてて好感持てますしね。
巻末あとがきの声優さん裏エピソードも楽しく読めますし、これガンダムWのファンなら絶対手に取って損はない作品だと思います、いや本当に。
とりあえず引き続き読み進めます。