身体に必要なミネラルの基礎知識



 一般向けの平易な科学入門新書。
 なんでこんなの手に取ったのかというと、「錬金術は結果として、鉱物を摂取して薬にする発想を生み出す事に寄与した」っていう記述を、過去読んだどれだったかの錬金術本で見かけたからで、人体と鉱物の関係を周辺知識として軽く眺めてみようかと思ったからでした。
 まぁしかし、それを抜きにしても、前々から不思議ではあったんですけどね。人間、ていうか生き物全般が、なんで鉱物(というか、鉄だの亜鉛だの、バリバリの金属)を必須の栄養素として口に入れなきゃいけないのか、というような事です。一見生物の体を構成しているイメージから遠い、そういう物質を「ミネラル」として毎日摂りいれていかないといけないというのがイマイチ納得できなくて。
 そういう事が、上手く腑に落ちる、「ユーレカ!」できるなら良いなと。



 しかし結論から言いますと、この本については少々期待外れでした。
 この栄養素が体の中でこういう働きをしている、という表面的な情報は載せるけど、どういう仕組みでなのか、何故そうなのか、という部分に踏み込んでくれないので。なんか久しぶりに、悪い意味で「教科書みたいな」本でした。暗記には向くけど理解には向かない構成。
 また、本を開いて左側のページに文章、右側にイラストや表という形で編集されているのですが、右側の表に書かれてる事が、ほぼすべて左側の本文で書かれてる事を箇条書きにして並べてるだけなので、情報が完全重複していて読む意味がない。
 なんかこう、もうちょっと何とかなんねぇかよ、と思いながら読んでました。


 まぁでも、それなりに拾う部分もあったので、よしとします。