リーンの翼 第六話


 最後の盛り上げは、さすが富野御大。
 奇跡の描き方は本当に、流石としか言いようがない。


 でもやっぱり、最終的にはちょっと消化不良な感じがありました。
 これはたかが二話三話増やせば良かったなんて事じゃなくて、第二次大戦に反米に消費社会に天皇に核だもの、いくら話数があったって足りるわけがないという感じ。
 そして、結局第二次大戦を知らない若人は、サコミズ王が何であんなに猛り狂っていたのか、全然わからないわけで。知らなければ知らないほど分からない。多分、ギンガナム辺りと印象変わらないんじゃないかな。


 アニメ作品なのに、多少とも第二次大戦の空気を肌で感じていなければ分からないなんて、やっぱりそこは作品として破綻している、のだと思います。
 かといって、あれで平成世代に「分かれよ」って言われたら、「ふざけんな」としか言い様が無い。


 かつて『∀ガンダム』で、主人公に
「人の英知が作り出したものなら、人を救ってみせろ!!」
 と言わせた富野監督が。その境地に至った人が、今さら、
「リトル・ボーイは駄目だぁ!」
 なんて言わせているのは、なんかすごく微妙な心地ぞする。
 私はロランのあのセリフに、物凄く感動したんですよ。


 ともあれ、実質三時間以上、集中して見られたという事は面白かったという事ではあります。
 色々と書きましたが、映像としての凄さは折り紙つきですし。
 まだ無料放映終了まで十時間ほどありますので、未見の方で余裕のある方は見てみては?