どらえもん 恐怖編
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- 作者: 藤子・F・不二雄
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1997/10/28
- メディア: 文庫
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以前、たまたまネット上で
http://yang.amp.i.kyoto-u.ac.jp/~yyama/physlab/baibain-j.html
こんな記事を読んでいたりして、色々気になっていた「バイバイン」の話。
そのほか、ドラえもんの中からさりげなく怖めの話を集めた文庫版。
前々から読んでみたかったのですが、たまたま今日機会があったので購入、読了。
とりあえず思ったのは、これは小学生ぐらいの子供向け読み物として、さすがによく構成されてるなっていう事です。
この巻に収録されている話のパターンの1つとして、こんな形があります。
1.ドラえもんが道具を出しっぱなしにしている。それがのび太の目に留まる。
2.のび太が、目先の利益に惹かれて道具を使用。
3.考え無しなのび太の行動が、SFスケールの大規模な影響を引き起こす。
4.どうにか収集する。
およそこんなパターンです。
「SFスケールの大規模な影響」というのは、この場合、卑近な欲求から道具を使用した結果、地球の運行とかそういうレベルで問題が発生してしまい、それがしっぺ返しになってのび太たちに帰ってくるわけです。
これは、子供向け読み物としてすごく周到で有効だと思いました。
つまり世の中はちょっと見では分からない、遠大な仕組みでもって動いているから、目先の事だけで安直に事態を改変すると危険な場合もあるよ、というのを短い話の中で強く印象づけられるわけです。
無論、まず話として面白いし、オチも意外なところにあったりして。とにかく、藤子不二夫って凄い漫画家だったんだな、とか今ごろあらためて感心していたりしました。
個人的に印象深かったのは、やっぱり「バイバイン」の話と、あと「気まぐれカレンダー」かな。軽く考えてたら突然、考えもしなかった地球規模の危機にいきなり襲われる落差が素敵です。
ていうか、まあ蛇足ですけど、環境問題で墓穴掘ってる現代人って、紛れもなくやってる事はこののび太と同じなわけですが……。