搾取関係へのレス


 先日の記事に、ボイさんからコメントを頂きました。
 で、コメント欄に入れるにはレスが少々長めかもなので、ここでレス。


なので、「福祉もインフラも必要無いから税金を払わなくてもいい」という論理はおかしいと思います。そりゃ必要ない人もいるかもしれませんが、必要なくても、あれば使うでしょ、道路とか。


 そう、私が思ってたのも正にそういう事なのですよ。
 で、この点についてメールで指摘を受けたわけなのです。許可を得てありますので、そのメールから一部を引用します。


たとえばある人が、「国家が提供するもろもろのサーヴィスを受け取らないかわり
に、税金を払わなくても良いようにしてくれ」と訴えたとして、その訴えは成立する
でしょうか。
答えは×。私たちに「税金を払わずにいる」という自由はありません。
税金を払わずにいれば、その人は逮捕され、投獄されてしまうことになるでしょう。

……執行猶予で済むかも知れないじゃないか的な話はさて措いて。
つまり、ここでは「望もうが望むまいがとりあえず税金は払わねばならない」という
事が
「税金を払うことを望む」という個人の主体的な判断に先行しているわけですね。
このような、主体的な判断を問わず金を収奪されてしまうような現象を、普通は「搾
取」というわけです。
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主体的に望もうが望むまいが金を奪われてしまう、このような事態を「搾取」という
…だとすれば、たとえ当人が主体的に「税金を払うことを望んでいる」のだとして
も、制度的に見ればその人が「搾取されている」ことには代わりがないことになりま
す。
言うなれば、その人は「主体的に税金を払っている」のではなく、
「強制的に税金を取られているという事を、いやいやこれは主体的に行っているのだ
と転倒して考えている」のだと言う事に過ぎなくなるでしょう。


 つまり、その税金によって賄われるインフラなどの国家からのサーヴィスが有用かどうかを判断するより以前に、既に我々には「納税の義務」が生じてしまっていると。
 NHKの受信料未払いのような事を税金でやったら、強制執行でしょう?


 極端な例ですが、テレビ番組の……『銭金』でしたっけ? そんなような番組で見たような気がしますが、年に数万円程度の支出で、自給自足中心で暮らせている人も居ないわけじゃない。けど、そういう人たちだって税金は払ってるんでしょうし。


 国家との間で契約書書いたわけでもないじゃないですか。「甲は乙からインフラ・福祉等のサーヴィスを享受する。その代わり甲は乙へ税金を支払う」みたいなの(適当
 別にそんな契約を交わしたわけでもないのに、成人するともう税金納めろって通知が来るわけです。自動的に。一方的に。
 その一方的な徴収を「搾取」というのだと、それが指摘の内容なわけでした。


 まあ、そんなわけで私は今回の指摘を大体上記のように把握しているわけなのですが。
 順序が逆だというわけですね。有用性を認めて、それで税金を払ってるわけじゃないと。税金を払うというのが先にあって、その後で国民はせめてその税金が有用に使われているかどうか監視や要求が出来るというわけで。
 これでレスになってますでしょうか?