断章のグリム3・4


断章のグリム〈4〉人魚姫(下) (電撃文庫)

断章のグリム〈4〉人魚姫(下) (電撃文庫)


 相変わらずグロ方面で突っ走っている甲田学人先生のシリーズ。
 もう何ていうか、やめてトラウマ仕込んでいくのやめて(笑)。


 一巻読了後しばらく、鶏肉がかなりヤバかったのですが(笑)、今度は魚とカレー・シチュー系統が食べられなくなりそうな凶悪さです。
 このままシリーズ続いたら、私食べれるものなくなってしまいそうですよ(ぇ


 まあしかし、相変わらずこれ、「小説だからこそ」できる事を目一杯やってる感じがして、非常に面白いですね。
 例えば。ドラマなんかで、包丁でぶすっと刺されるシーンなんてのはいくらでもあるわけです。アニメなんかでも、ずぶっと腹に何か刺されるシーンなんてのは結構ありますよね。
 けど、我々はそれらを記号として、見過ごしてしまいます。少なくともその映像から、実際に腹を刺された人の痛みにまで思考がいくことは、もはや稀なんじゃないかと思います。
 小説はその点、違うわけですよ。
 包丁を刺された瞬間の痛みの表現を、改めて文章で読者に喚起させることができる。
 この作品はそれをしていて、そこが凄いなと思ったわけなのですね。えてしてライトノベルのようなジャンルで、レーベルの要請に従いながら書いていると「なぜ漫画でもアニメでもなく小説なのか」っていう部分を見失いそうになりがちですが、この作者さんはそこをすっごく的確に押さえて、きっちり小説家としてやるべきことをやってる。そこが好感です。


 まあしかし、グロに耐性ない人は読まない方が良いけどね(笑)。