コミック東方儚月抄 第十四話


 今回は全編、昨夜vs依姫のスペルカード戦でした。


 んー、正直、スペルカード戦描写としては、ちょっと拍子抜けした感が否めません。
 連載第一話の頃に比べればマシにはなってますが、んー、やっぱもうちょっと「美しさ」と迫力は欲しかったよね。特に前者。前回魔理沙の口を通じてあれだけ豪語したんだし、そこは美しくないと。


 ……まあ、私の今回の期待値といえば、ほとんどこれくらいのモノを期待してたわけで。
 ↓これくらい
http://www.nicovideo.jp/watch/sm104568


 さすがに期待値が高すぎたのかも知れませんがw


 やっぱ、炎とか、意識してどう描くか色々試行錯誤してないと、こういう時にぱっと迫力ある絵が描けないだろうしなぁ。キャラ中心にやってた漫画家さんには、結構ハードルが高いのでしょうな。
 仕方ないとは言いませんが。


 で、攻防は依姫さんが始終優勢。咲夜さんの反撃もまるごと返され、ジ・エンドと。
 ていうか、弾幕勝負で回避不能なのはご法度じゃなかったっけ? という気もしますが(笑)、まあゲーム中とは条件が違うから仕方ないのかねぇ。


 で。
 負けて戻ってきた咲夜さんに、「咲夜は前座なんだから私が戦うまで勝っちゃ駄目」と怒るレミリアさん。
 案外、このセリフってレミリアの気遣いなのかもね、と思ったりもします。
 基本的に、戦闘において一番プレッシャーを感じるのは5ボス、従者の位置にいるキャラなんですよ、東方においては。4ボスまでは、まあ通りがかりの霊夢とか魔理沙に遊び半分で絡んでるだけなんで別に負けても構わないし。6ボスも特に、負けたからってどうという事もない(スペルカード戦はスポーツみたいなものなんで、敗北したからとてすぐさま部下の不信につながったりとかもなさそうだし)。そうすると、後に控える主の下へ侵入者を近づけないという明確な目的のある、5ボスが一番「負けられない」立場にいるわけです。
 だから歴代東方でも5ボスの曲が一番激しいわけで。


 で、そんな咲夜さんに対する、レミリアの気遣いとも読めますよね、上のセリフ。あんた負けて良かったんだから、別に気に病むことはないよっていう。
 あのレミリアがそんな細かな気遣いをするか? という気もしますが、レミリアって意外に部下のこと気遣ってます。『東方三月精』の第一話でも妖精メイドの勤務状態に気を配ってましたし。
 何より、レミリアのこのセリフの後、終始咲夜さんがニコニコ嬉しそうにしてます。魔理沙に「咲夜も毎日よく耐えられるよな」と言われた時も、ただ嬉しそうに笑ってるだけ。
 咲夜さんが公式作品でこんなに嬉しそうに笑ってるの、実は滅多にないんじゃないかしら?
 そう読んで見ると、やっぱ紅魔組の信頼関係は良いですね。


 さて、そんなわけで次回はvs魔理沙戦。
 今回のでスペカ描写に対する期待値はだいぶ下がったので、良い意味で力を抜いて読めるでしょう。どうなることやら、それなりに楽しみに。