今頃ガンダム00視聴 ファーストシーズン3,4話


第3話「変わる世界」


 初っ端からハイテンションで飛ばすグラハムさん。いや、乙女座とか誰も聞いてないから(笑)。
 しかし何だかんだでガンダム相手に善戦。そうこなくっちゃという感じです。
 結局ガンダムを討つことはできぬものの、戦闘後にパイロットについて言及して見たり、まだまだ余裕がある様子。頼もしい限り。


 その後、パイロットたちが束の間軌道エレベーターの発着場で顔合わせ。とりあえずミルクおごるロックオン兄貴が素敵だ。


 また、キュリオスが使ったミサイルコンテナ(?)を回収した人革連の兵士たちの会話とかも非常に面白く。そうだよね、当然回収するだろうし、分析するだろうし、そこから色々と推測や考証があるだろう。けど過去のガンダムでこういうのって意外にやられてなかった気がします。
 この辺、メカもの、ミリタリーものとしても面白くしようという気概が感じられます。特に前話のように主人公メカだけやたら高性能のスーパーロボット状態でもあるわけで、匙加減としてはそこそこ難しかったでしょうに。
 なんだろう、宇宙世紀もののファンも、SEED派のファンも楽しめるようにしようと色々工夫してるんでしょうねぇ。現場の人たち。頭が下がります。


 そして後半再び戦闘。顔に傷のある渋いオッサンパイロットがガンダムとこれまた善戦。いいね、そういうのが見たかったんだよ!
 若干追い詰められた刹那さん、ヒイロ・ユイみたいな寡黙系かと思ったらけっこうヒートアップした雄叫びをあげて反撃。ちょっと予想とは違う感じの人でした。
 まぁ、それもまたよし。


 最後、テロ組織リアルIRAがテロ停止を宣言するという事で、ソレスタルビーイングが世界情勢、少なくともテロの一つをストップさせたという形になりました。
 あー、この気持ち分かるなぁと見ながら思っていました。
 戦後生まれの、この番組の視聴者たちにとって、戦争とはほぼ「報道される戦争」「報道を通して見る戦争」とイコールです。そして、テレビ画面に映る戦争の情景にいつも苛立ちながら、ヤキモキしながら何もできないというのが一般的な日本人像でしょう。
 そういうリアリズムを抱える我々にとって、こういう絶大な影響力を発揮して紛争を終了させる――という夢想こそ、最もリアルな感じがするのかなと思います。
 これは『DEATH NOTE』の夜神月も同じで、つまりテレビ画面で世の中への苛立ちを募らせていた我々は、世直しをする場合にもテレビ画面を通してしようとするという、そんな想像力の表れなんですね。テレビで報道された紛争地へ駆けつけて介入して鎮圧するというのも、基本的には変わらない。
 だから、この「ソレスタルビーイング」という着想、そんな武装組織を生み出した想像力も同じ所に根ざしているのだなと感じたのでした。


 こういう形で紛争を終わらせ、「平和」を獲得していくという、その夢想は快い。そうあれば良いに決まっているし、ガンダムWガンダムSEEDもここまではやっていたわけです。
 問題は、次の話。



第4話「対外折衝」


 ソレスタルビーイングが動く事を織り込んで外交を展開しはじめる国家と、そのさらに先を読む国家、という話。


 とりあえず、何が怖いって「米軍のMS隊が発進しました」という作中セリフが怖すぎる(笑)。米軍のモビルスーツ、て。半端にフィクションとノンフィクションが混ざってる感じがえもいわれぬ戦慄を呼ぶですよ。


 そして、無事ソレスタルビーイングを利用しおおせるアメリカ。
 この展開を描ききった事については、素直に製作陣を称賛したいと思います。
 多分、歴代のガンダムで初めて「老獪な国家元首」「老獪な組織代表」を描いたんじゃないですかね。SEEDはDestinyも含めて途中までしか見てないから何とも言えませんが、「戦争をするのが悪い、戦争を止める僕らはイノセント」な構図がある程度まかり通っていたらしい状態を見る限りでは国家元首の側はそこまで老獪に振る舞えてないような印象があります。Wの国家元首も、デルマイユとかも強権発動してるだけで別に老獪っていう感じじゃなかったしなぁ。
 そして富野監督の作品に出てくる政治家や組織代表とかも、監督の性格のせいかイマイチ老獪になりきれないのですよ。たまに逆シャアに出てきた政治家みたいな老獪っぽいのが出てくると、それは結局「俗物」という事で小人物になってしまいます。
 ダブルオーはその点、初めて国家のトップが持つ老獪さ、その手ごわさを周到に描きましたね。これはすごい事だと思います。そう、戦争を完全になくして、恒久的な平和をもたらそうなんて話をすれば、当然そういう老獪さとぶつかる事になるのですよ。大国のトップぐらいの身分の人になれば、たかがソレスタルビーイング程度の存在が現れたくらいで狼狽しやしない、と。むしろそれを利用するくらいの事はする。過去のガンダム(特に平成以降のガンダム)はそこまで表現が及ばなかった。
これでようやく我々ガンダムファンは、WやSEEDとは違う方向へ一歩を踏み出せる、という気さえします。
 さて問題は、踏み出してどこへ行くか、ということなのですが……。


 閑話休題
 とりあえず無茶なカスタムを乗機にほどこしてもらってノリノリのグラハムさん。エクシアと会敵するもわりとあっさり逃げられる。とりあえず空振り。けど以降も猛アタックは続くんでしょうねぇ。いやーなんといか、グラハムさん頑張れ、超頑張れ(笑)。


 あと、なんかマリナ・イスマイールさんという王女さんが出てきたんですけど。まだ本筋に絡まないまま国の置かれた状況だけ説明セリフで解説されてましたが……あのお付きの人なんなの? 感じ悪っ(えぇ〜


 そんな感じ。
 ともあれ、これは何か新しいものを見せてくれそうな予感がする出だしです。ちょっと続きを見るのが楽しみになってきたかも。