第8回 柴又散歩
2009年最後の東京彷徨は、葛飾柴又をのんびり散歩と相成りました。
今回も、たっての希望でタラコ氏が同道してくれることに。
まぁ、下町ということもあり、あまり難しい事は無しで、半ば観光と言う感じで気楽に歩いてきました。そんなわけで。
日暮里でタラコ氏と待ち合わせをして、そのまま東武線で柴又駅へ。到着はお昼の1時頃でしたでしょうか。
まぁ、何はともあれ、
柴又駅前の寅さん像。
もはや柴又の代名詞となった国民的キャラクター。帝釈天がどんな神様か知らなくても、寅さんはみんな知っています(笑)。
実際、この日は平日だったというのに、この銅像まわりで写真を撮る人の多いこと。上野写真を撮るタイミングをはかるのも大変でした。
とはいえ、実は私もタラコ氏も、『男はつらいよ』の映画のどれも頭からしっかり鑑賞したことはなく。家族が見ているんで、ちらっと見た事があるといった程度だったり。本当は予習として、どれか一本でも見て行ったらまた違った楽しみがあったのかも知れませんけどね。
参道へ。懐かしい食べ物屋がいろいろと並んでいたりして、なかなか楽しい通り。
そして途中で見つけたのが、
小学校時代を墨田の下町で過ごした私はこれを見て若干ヒートアップ。学校の近くに駄菓子屋があって、いろいろ買って食べたりしたものです。スーパー懐古タイム発動。
あー、細長いビニールの容器に入った得体のしれない緑色の液体とか当時よく買って飲んでましたよ(その説明じゃわかんねーよ
あと、ガムと見せかけて、取ろうとするとバチンと指を挟まれる悪戯グッズとかね。
まぁもちろん、ここは小学生向けの店ではなく、昔を懐かしむ大人たちのためのお店ではあるんですが。なので何故かボンカレーとかも売っている(笑)。
そして、店内に「スーパーマリオブラザーズ」があるのを発見。ファミコンではなく、ゲームセンターにあるようなアーケード筐体のものでした。
恥ずかしながら、私もタラコ氏もこれは直撃世代です。スルーするわけにはいかないな(キリッ
ちなみに、この写真を撮った1秒後に死亡しましたw
まぁ、私もやってみましたが、レバーで操作するマリオがこんなに難しいとは、って感じでした。
この後私もやったけど、1−2からショートカットで4−1へ行って、どうにかそこはクリアしたものの4−2でアウト。むむむ。
他に、店内に射的とかもあったのですが、まぁほどほどで撤退。
柴又帝釈天の仲見世。
なんとなく、もっと道が広い気がしていたのですが、そうでもなかった。
さらに参道に連なるお店を眺め、お値段控え目の食堂に入って中華丼とか食べる。
店内には所狭しと『男はつらいよ』の映画ポスターが。いかにもな感じです。お店の人も、気の良いおばちゃんでした(笑)。
食後、いよいよ最初の目的地へ。
わりと広めの境内。本堂の正面を横切る松の枝が面白いです。
さらに、有料でお堂の外面に彫られた説話彫刻を見る。
お堂に無理やり接続された現代的な回廊。
まぁ、彫刻部を雨風から守りつつ、有料で見てもらうにはこうするのが一番だったって事ですかね。ちょっと異様だけど。
彫刻は素晴らしい出来でした。彫られたのは昭和に入ってからなんで、そんなに古いわけではないんですが、そのせいか技術力が凄かった。ものすごい立体的な彫刻だったのですよ。浮き彫りといっていいのかどうか。たとえば建物があって、柱があったらその柱の後ろ側にちゃんと空間があったり。
なんだろう、何となくですけど、遠近法的なものを感じたので、描かれてるのは法華経の説話なんですけど、やっぱりどこか明治以降に作られたっぽい空気があります。もちろん、ここではそれが上手く働いてて、眺めていて溜め息が出るような出来映えでしたが。
ていうか、これ1か所ミスしたら全部台無しになるんではなかろうか。基本、9つのパートがあってその1パートは1枚板で作られてるっぽいし。職人ってのは偉い人種であります。
さらに、奥に小さな庭園があったのでそちらも観覧。
まぁ、私自身イマイチ、庭園の鑑賞っていうのをどの辺に注目してすれば良いのか分かってなかったりもしますけど。どのあたりを見て良し悪しを言うのやら。
別に難しいこと考えずに言うなら、けっこう楽しめましたが。
まぁ、どうしても東京にあるという関係上、ちょっと横に視線を振ると駐車場の光景が視界に入ってしまったりするのはご愛敬。
で、庭園もほどほどに楽しんで、再び境内へ。
タラコ氏はこの手の場所に来ると律儀におみくじを引く人で。彼が引きに行っている間に、
ちなみにこの日のタラコ氏は大吉を引きました。何事も万事うまくいくけど失せ物は出てこないらしい(笑)。
帝釈天を出て、江戸川へ出ます。矢切の渡しがすぐそばにあるためで。せっかく来た以上、見て行かなけりゃ損というもの。
土手に出ました。
この東京彷徨においてはもはや常態ではありますが……曇天です。もう曇った日しか予定が空かないみたいです。出かけられる日というと必ず曇ります。一体何なんでしょうね。
やがて、案内にそって進むと、見えてきました矢切の渡し。歌にも歌われた、これがかの有名な……
矢切の渡し……って随分庶民的な受け付けですが。
ちょうど、この日最後の舟に乗る事ができました。最後っていっても、まだこの時点で3時半前ですけどね。それだけ日が短くなってるって事でして。
片道100円。支払っていざ乗り込みです。
舟に乗りこみました。すぐそこに水面。
わりと安定した乗り心地でした。まぁ、この時一緒に乗った家族づれの中の子供が、やたら「こーわーいー! こーわーいー!」と絶叫し続けていましたが(笑)。
対岸へ渡って、歩きだそうとしたところでしかし、重要な事に気付きました。まさにこの企画の根幹に関わる事象であります。即ち――
江戸川のこっち側、松戸市じゃん(ぇ
東京彷徨8回目にして、うっかり東京都からハミ出す(笑)。
まぁ、別に良いかーって事で、川沿いを歩いていきました。最寄りの橋に辿りついたらもう一回渡りなおせば良い、というわけで。
それにしても、東京から一歩出て、松戸市に入った途端に……
のどかです。ネギとかいっぱい植わってました。
農地を見渡しながら、やがて橋に差し掛かったので再び東京へカムバック。
橋。奥に見えてる路線は常磐線かな?
ここから、のんびりと大通り沿いに歩き始めます。
山手線の内側なんかを歩いている時は、目標を定めずに進んでも何かしらに行きあたるのですが、下町のこの辺だとやっぱり住宅が多かったりして、そうでもなかったり。まぁ、タラコ氏とは久しぶりに会って、募る話も色々あったんで、雑談をいろいろしつつ気楽な道ゆきでした。
途中、道端にあった地図を眺め、徒歩で行ける範囲と言う事で、亀有駅を目指します。
道端のブロック塀に貼ってありました。亀有の代名詞たる交番のお巡りさんです。
……どうでも良いんだけど、この人に子供を任せて大丈夫なのか?(笑)
この辺りで、まだ4時前後なのに辺りは真っ暗。ふむ、この企画はやっぱり日の長い春から秋までの時期向けの企画ですね。まさに釣瓶落とし。
一瞬目を疑った地名表示。「しんじゅく」じゃなくて「にいじゅく」ですって。
さらに歩いて、中川を超えます。
こんな感じで、まぁ、特に何にも行きあうことなく亀有駅まで到達しました。後半はほとんどただの散歩でしたね(笑)。
で、亀有駅には、例のあの人の銅像があると聞いていたので、ついでだから撮っていく事にしました。誰かって、あの人ですよ、ドラマが惨憺たる視聴率で打ち切r(そこまでよ!
というわけで、両津勘吉氏の像。
しかし、夜に撮るとなんか異様な造形です。こちらはお祭りバージョンで、制服バージョンが反対側の駅出口にありまして。
こうして見ると普通に妖怪なんですが(笑)。
水木漫画にこんな顔の妖怪出てきた気がする。
まぁそんな感じで。
これで亀有駅からそのまま新宿へ出て、タラコ氏とともに職場の飲み会へ出向いたのでした。
今回歩いたルートはおよそ こんな感じ。
まぁ、今回は特に、普通に柴又観光をしただけ、といったところですので、まとめというほどのまとめもないのですが。
とりあえず銅像に始まって銅像で終わったのがちょっと印象に残りましたかね。ハコモノで何か作れないなら、結局コンテンツで人を呼ぶしかないというところでしょうか。柴又と寅さん、亀有と両さん。どちらも下町情緒を下敷きにしたキャラで、どちらも作品の長寿化によって広く知られていて、どちらもちょっと困ったおっちゃんであると(笑)。
しかしまぁ、昔に比べて、特定の地名と結びついた創作作品って相対的に少なくなってるだろうと思うし、特に街おこしに使えるほど普及した「誰でも知っているキャラクター」って少なくなってるだろうから難しいでしょうねぇ。
そこを無理やり通そうとすると、某鷺宮神社みたいになるわけですけど(笑)。
ともあれ、今回はこんな感じでした。さて、来年はどこに行きましょうかね。