土偶展に行ってきました
まぁ、なんで突然土偶かというと、我が愛する宗像教授の最新巻で取り上げられていたためで、それまで通り一遍しか知らなかった縄文の土偶のデザインなどが、思っていたより深く面白そうだったから、というわけなのですが。
- 作者: 星野之宣
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/12/26
- メディア: コミック
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それでまぁ、ちょうど駅貼り広告などで見ていた事もあり、矢も盾もたまらず出かけてしまった次第。
それで、まぁとりあえず行ってみたわけですが、まず東京国立博物館の建物がすごくてびっくりするワタシ。
http://www.tnm.jp/jp/guide/map/honkan.html
去年、日本の建築史を読んだ時に出てきた和洋折衷建築ってのはこれか! と思ったりしまして。なかなかの迫力。
そんなのに圧倒されつつ、おずおずと中へ入りました。
いや、なんか凄かった。予想をはるかに上回ってました。
教科書でもおなじみの遮光器型土偶をはじめ、国宝の「縄文のヴィーナス」やら、顔がハート型しているハート型土偶など、バラエティに富んでおり。それより何より、デザインというか造詣が異様というか、やはり鬼気迫ってる感じがしました。
ひとつ、母親が子供を抱いてる土偶があるんですよ。小さくて顔の部分がないんですけど、横座りしてて、子供を抱いている形がものすごく写実的であり、自然な出来なのです。
で、それを見て考えてしまったわけですよ。地域性などの問題もあるから一概には言えませんが、それだけの写実的な造形を出来る縄文人たちが、なんで顔がハート型とか、指が三本とか、また遮光器型土偶のような目だけ極端に大きいような像を作ったのだろうか、と。
つまり、明らかにこれ、人体を忠実に、写実的に作ろうとした像だとは思えないような気がするんです。写実的に作りたいけど技術力が足りなかったとか、そういう風には見えない。なら、それら異様な造形は、どういう意図で生まれたのだろうかと……。
また、上で挙げた『宗像教授異考録』に出て来ていた、長野県出土の釣手土器も見る事が出来て大満足でした。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/14/7f4c0f4a9d275c4f02c8e224d3a27260.jpg
これも、裏側から見た姿が異様でした。縄文のメドゥーサか、と思いながら眺める。迫力があってつい見入ってしまい。なんだろう、他の土偶とかも含めて、ぽっかりと丸く空いている穴、その虚ろな空洞がちょっと不気味で怖いと感じる。そして……うん、角度によっては仮面ライダーアマゾンにも似てるね(黙れ
似てると言えば、三角土偶という、頭がおむすび型の土偶もあったんですが、うん、見た瞬間に「地獄大使!」って思って正直すまんかった(ぇ
それにしても、アレですね、縄文土器→弥生土器もそうだし、土偶→埴輪もそうですけど、あれだけ執拗な縄目文様と独特な造形で、力強い表現をしていたものが、弥生時代になった途端、すっきりあっさりとした見た目に様変わりしてしまうのは、それもなんだかやっぱり、異様な事のように思えたりするのでした。
狩猟から農耕へとか、そもそも縄文人から弥生人へとか、色々と断絶があったのかなとやはり思ってしまいますね。実際には、そこまで明確に時代区分の線が引けるわけでもないようですが。
いやいや、とにかくすごく印象深い展示でした。土偶ナメてた。デザインの独創性がものすごく印象的で、下手な前衛芸術など裸足で逃げ出すんじゃないかというくらいでありますよ。
2月までやってますので。お時間のある方はぜひぜひ。一見の価値はあると思う。
その後、常設展示も軽く見ていくかーと思ったものの、その膨大な量に圧倒されて結局閉館ぎりぎりまで眺めつづける事になる。さすが国立なだけの事はあるぜ、常設展示品の量が半端ない。情報の過剰摂取で脳みそが軋みそうでした(笑)。
焼き物とかも、私に素養がないんで普段だとあまりピンとこないんですが、さすがに良いものを置いているという事なのか、なかなか楽しめてしまいました。漆器のコーナーで、何気なく飾ってある展示品の中に普通に国宝とか混じっててビビる(笑)。
そんなわけで。なかなか印象深かったので、日記の代わりに書き残すのこと。