日本陰陽道史総説
- 作者: 村山修一
- 出版社/メーカー: 塙書房
- 発売日: 1981/04
- メディア: 単行本
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
神保町古本まつりで購入。5000円近くしました。
まあ、古本まつりに何度か行くうちに、古書の場合は「安物買いの銭失い」は絶対の真理だと気付いたわけで。端的に内容の良いものが高く、内容の薄いものや古い内容で使えないものが安い。
なので、変に細々としたものを買うよりは、高いものをどーんと少数精鋭で買った方が良いと気付きまして、この本に白羽の矢を立ててみた次第。
刊行は1981年と30年ちかく前なので情報が古くなっている事には注意しないといけませんが、そこを割り引いても、溺れそうなくらい得るものの多い読書でした。
陰陽道というと、安倍晴明の辺りがやたらと有名なわけですが、その前の時代や、その後の時代、それこそ江戸時代まで存続していたわけで、そういう部分を頭に入れておきたかったというのがありました。
で、読んでみたわけですが、想像以上にいろいろと収穫が。
そもそも、安倍晴明作に仮託される陰陽道の基本文献で、私も再三名前を聞いたことはある『ほき内伝』(漢字出ないっぽい)ですが、これが牛頭天王縁起から始まる本だというようなことすら知らなかったわけで、読んでいて実にびっくりしました。
まったくもって、私の勉強ときたらなっていないな。まぁでも、少しずつやっていくしかないですが。
しかし、書きだしていたらキリがないくらい色々と得るところがあったわけですけれど、それでも期待していて載っていなかった情報もあったりします。たとえば、陰陽道と土佐国の関係とか。承久の乱で土御門上皇が土佐に流されたことと関係があって、土佐に陰陽道が伝わったり根付いたり、それが小松和彦『憑霊信仰論』で一躍有名になった「いざなぎ流」につながったりするらしいのですが、その周辺の事は載っていませんでした。
その辺については、また別の本をあたるしかないようです。
いずれにせよ、非常に有意義な読書でした。
自分なりに面白かったところの抽出は、おいおい、自分用Wiki( http://www12.atwiki.jp/zsphere/ )の方へ。