アレクサンダー大王


アレクサンダー大王:未完の世界帝国 (「知の再発見」双書)

アレクサンダー大王:未完の世界帝国 (「知の再発見」双書)


 インダス文明に関する本を2冊ほど読んで、そのまま古代文明の本とか続けて読もうと思っていたのですが、お財布の事情が厳しく(笑)、仕方なく以前買って置いた積読本を適当に読む。
 なんでこれを手に取ったかって、もちろん『Fate/zero』のイスカンダルの印象が強かったからですとも(笑)。ミーハーだけど、こういう契機から自由に関心の向くまま勉強が出来るんだから、現代人はむしろ幸せだと思っていたりします。『Fate』や『ドリフターズ』で古代の英雄に関心を持ち、『艦これ』や『ガルパン』で第二次大戦の戦史に興味を持ち、『東方』で日本神話に興味を持ち。別にそれで良いと思うんだよね。何を学ぶにも、親しんだ作品のキャラクターたちが同道してくれるんだから、こんな楽しい事はないので。


 もっとも、創作作品のキャラクターイメージを過度に持ち込むのは危険です。史実のアレクサンダーにしても、残虐な行為も結構したし、特に晩年に傲慢さが垣間見える事もあったり。そういうところも、ちゃんと認めながら。でもやっぱり脳内では大塚明夫の声が再生されたりしつつ(笑)。


 それにしても、何となく想像してたことと色々違ってて、驚きました。アレクサンダーが三十代前半の若さで亡くなってる事とか、インドまで遠征に行くもペルシアまで引き返してきて亡くなってるとか、しかも病死だとか。イメージ的に、とにかく行けるところまで一直線に遠征し続けて道半ばで戦死か暗殺されてるような想像をしていたのです(笑)。


 まぁ凡庸な感想ながら、わずか8年ほどでしたか、そんな短期間でよくもまぁガンジス川辺りまで進撃できたもので。これはやっぱり、なんだかんだでワクワクしてしまうなぁ。
 いったんペルシャあたりまで戻ってきたアレクサンダー、さらにアフリカを南下していく遠征計画もあったそうで、歴史にイフは禁物ってベタな警句を思い出しつつも、やっぱりこの人がもしあと十年生き延びてたら、って想像はしてしまいます。


 本当に、ただこの人物の事績のアウトラインを瞥見しただけですけれども、非常に楽しい読書でありました。またいずれ、機会があったら追加で情報収集してみようかな。