艦隊これくしょん 鶴翼の絆 1巻



 こちらは別な方の艦これノベライズ。こちらの主役は五航戦の瑞鶴さん。


 まぁいい加減オッサンなので、作中のお色気シーンで一喜一憂するような読み方は出来なくなっている辺りがいかにもツラいわけですが(笑)。全体的によく踏み込んでいる感じはありました。「あの戦争」に言及しているというだけでも、かなり勇気のある事でしょう。
 戦史の中での各艦船の活躍とか戦歴とか、というミリタリー的なマニアックな知識を、艦これ小説ではキャラクターの前歴として、キャラ同士のドラマに応用するという形で自然に組み入れる事ができるので、そういう利点を最大限に使ってるあたりは上手いのだろうなと。
 物語の緩急、見せ場の盛り上げ方もよく出来ていて、ライトノベルとして完成度が高い作品だなと、読み終えて自然に思えたので、うん、よく艦これの世界観でここまで出来たなと感心した次第でした。
 艦これゲーム中最大の敵とも言うべき羅針盤の事とか、その他いろいろなゲーム中の要素について可能な限り合理的に説明して見せていて、実に涙ぐましい。


 そんな感じで、想像していたよりはるかに楽しめてしまったのでした。うん、これなら続きを読んでも良いかもしれない。日々のデイリー任務消化のお供に、せっかくなのでもう少し読み進めてみようかな、などと思った次第でした。