神楽歌・催馬楽・梁塵秘抄・閑吟集


新編 日本古典文学全集42・神楽歌/催馬楽/梁塵秘抄/閑吟集

新編 日本古典文学全集42・神楽歌/催馬楽/梁塵秘抄/閑吟集


 職場の休憩時間にちまちま読んでいた本をようやく読了。購入時のレシートを見たら、なんと2013年9月からずっと読んでいたのでした。


 まぁ、以前から何度も書いている通り、私は韻文は比較的苦手で。この本も、どれくらい読みこなせたかは正直自信がありません。が、注釈部分だけでも、面白い情報や知識はいろいろとあり、それらを拾うだけでもわりと有意義だった感じはありました。


 神楽歌と催馬楽は、当時の神事なんかと深いかかわりがある歌謡ですが、そのわりに非常に大らかというか何というか。「神事に関わる巫女さんにこっそり手ぇ出しちゃった、てへぺろ」みたいなとんでもない歌もあって(笑)、古代の日本人って本当、こういうところユルいよなぁと感心するやら呆れるやら。
 梁塵秘抄はさすがに色々と感じる所も多く。自分に仏教的な素養が全然ないのだなという事を痛感させられて頭を抱えたりもしましたが、全体的には伸びやかで読んでいて大変楽しかったです。多分ベタなんだろうけど、やはり「遊びをせんとや生まれけむ」とか、「舞へ舞へ蝸牛」とかの、稚気を感じさせる歌が強く印象に残ったかな、と。たまにそういうのに出会うと、仕事の疲れが抜けていくような良い気分になったりして。
 また編纂した後白河法皇が、今様に関するあれこれを綴った「梁塵秘抄口伝集」もありまして、まぁ徹夜で今様歌いまくったとか、歌い過ぎて声出なくなった、とかいう事を延々と書いており。よくやるよ、と呆れる反面、一介のカラオケ好きとしては若干好感を持たざるを得ない部分も(笑)。
 閑吟集については、室町時代禅宗系文学の、世をはかなむ感じは正直あんまり響いてこなかったのですが。ただ、謡曲からとられた小唄も多くて、むしろそちらにはけっこう関心が向いたりしました。いずれ謡曲にも目を通してみようかな、という気分になったり。


 そんな感じで、断片的な印象ばかりですが、それでも読んだ甲斐はあったかな、という感じです。
 大体こんな感じ。