2015年


 毎年恒例の一年振り返り記事。今年もまぁまぁ頑張った。
 昨年から古典作品読み、古典映画視聴を目標にガツガツやってきたわけで、今年はそればかり延々やるつもりでいましたが、やはり移り気な性格が災いして、なんか色々と違う事もやっていたりした一年でした。まあ、薄々そんな予感はしていた(笑)。



      ○執筆
 ひたすらインプットの年にするつもりが、あまりに小説の腕がなまりそうだったので、月末一週間だけ短編小説を書く事にしたわけでした。
 Twitterで適当にお題を募集して、短編小説を一週間で書くというのを、結局半年間、計6作品書いたわけです。その作品はこちら
 正直なところ、そんなに会心の出来だとも思えないわけで、まぁだから私のリハビリという側面が強かったわけですが……それでも、熱心に読んで丁寧なコメントをくださった読者さんがついてくれたりもして、実にありがたいことでした。
 毎回、ジャンルを変える縛りみたいなことをしてたわけですが、結局一番反響があったのがロボットものだったわけで、うぬ、ガンダム小説ばっか書いてたせいで完全に作風がそちらに最適化されてるっぽいなぁ……どうしたものか(笑)。


 まぁでも、どうせ古典インプットは超長丁場なので、数年計画でのんびりやるしかなさそうですし、そうなら毎月執筆期間をとるというのも良かったのかもしれない。
 来年からは、お題募集ではなく、それなりに練ったものを連作で書こうかと、今いろいろ考えているところだったりします。


 他にも、なにげに読書感想や視聴感想もけっこうな分量書いたはずだし、『Gのレコンギスタ』読解記事もなにげに手間かかってますんで、まぁそれなりに今年は頑張った方なのでは、という気もしています。



      ○読書
 結局、2015年の読了済みタイトルは43冊。現在読んでいる『ローマ帝国衰亡史』『アエネーイス』は最後までは読んでいませんが、複数巻なのでとりあえず読んだ分の冊数を加えるとちょうど50冊。あと、ライトノベルが2冊かな。
 年初に立てた目標は60冊だったので未達という事になりました。ぐぬぬ。まぁ、『新約聖書』もヘロドトスも、アリストテレスも難物だったからねぇ。予定外の執筆もけっこうやっていた分、読書時間削られてますし。
 アリストテレス形而上学』上下巻読み終えるのに丸一か月かかっていますが、従来の私のペースからしたら早いんだよねぇ、一応。とはいえ、結果は結果だ。
 正直、未だにギリシャやローマ周辺をうろうろしてて、こんなペースではヨーロッパ近代文学とか中国古典とかも読みたい私としては、一体いつまでかかるやら先が思いやられるわけですが……まぁでも、有名古典作品は読んだ分は確実に身になるしプラスになるのは確かなんで、そういう意味では充実してはいます。古典読みに取り組み始めて1年半、未だにモチベーションは高いままなので、進みが遅いなりに順調ではあるのかも。


 今年読んだ中で印象深かったというと、やはり散々神話伝説だの昔話だのをこねくり回す小説を書きたがっているわりに読んだことなかった『グリム童話集』をようやく読んだりとか、その辺の事が地味ながら前進できてるのが大きいのかなという感じです。まぁ岩波版の翻訳は良くも悪くも大変特徴的で(笑)、親しみやすい反面、ケレン味のために引用するにはちょっと親しみやす過ぎる訳文なのでどうしようかなって感じではありますがw 余裕があれば、ちくま学芸文庫版の方も読みたいなぁと思ったり。
 基本的には文学史とかそういうのに載ってるような基本文献を読むのが目的なんで、『ギリシア案内記』なんかは寄り道なんですけど、でも魅力的な知識や題材を溢れんばかりに拾う事が出来たんで、読んで良かったです。
 来年読む予定も今から立てておりますが、骨のある難物ばっかりなんで、今から色々不安ですけど……来年は何冊ぐらい読めるかねぇ。


 あと、やんごとない事情で古典読みの間に田中芳樹作品読んでたんですけど、あれも大変面白かった。ああいうエンタメ分野の有名作品もいずれざっと色々読みたいなぁ。



      ○自分用wiki

 年初に目標に立ててたのは1000項目分の新規追加。しかし達成率は去年と同じで半分、500項目ほどでした。ある意味、月末小説執筆とかのあおりを一番受けております。
 とはいえ、『グリム童話集』に触発されて、特定の人物や物や事件の他に、説話のモチーフにも個別の項目を立てることを思いつき、ある程度整備出来たのが今年の最大の収穫。「人が鳥に変わる」みたいな、物語の要素ごとに分類整理していく準備が整いました。多分、将来的に、私がやりたい事のために役立ってくれるはずだし、これによって『今昔物語集』とか『アラビアンナイト』とか、その辺を読むモチベーションも大幅に高まったので、今後はそうした説話集的なものもガンガン取り入れていきたい。あと、ギリシア神話もこのフォーマットに収める形で読み直さないとね。
 ま、どんだけやっても、使い物になるなと思えるほどの充実がなかなか思うように訪れないこの自分用wikiですが、こういうのは地道にやるしかありませんのでなぁ。来年以降もがんばんべ。



      ○映画、アニメなど
 今年見た映画は33本。こちらも年初にたてた予定を下回りました。ま、新しいPC買ってからしばらくは見るのさぼったし、6月以降は月末一週間の間映画視聴できなかったしなぁ。
 33本のうち、映画館で見たのは3本で、『ベイマックス』『マッドマックス 怒りのデスロード』『Pixels』。さすがに早々映画館に出向くのもおっくうで、その分出向いてまで見た作品は多くが面白い作品でした。『ベイマックス』も『マッドマックス』も、何やかや色々と配慮しなきゃいけない今という時代に、それでも面白いエンタメ作品を世に送るための工夫と情熱に満ちてて、すごく刺激を受けた気がします。『Pixels』はターゲットを絞った分すこし小さくまとまってしまった感じはしますが、あれはあれで続編あったら見たいんだよね(笑)。


 古典映画についてですが、どれも面白く、見てよかったと思える作品ばかりで、やっぱり名作は名作であるなぁ、と思うことが多かったのでした。
 今年見た中でことさら良かったとなると、『雨に唄えば』とか『チキ・チキ・バン・バン』とかの、見ていて際限なくハッピーになれる映画たちがとにかく愛おしい。ひたすら幸福感を振りまく事にだけ注力する、こういう映画を昨今なかなか見かけない気がして、とても新鮮だった気がします。コメディみたいな「笑える」とも違うんだよね。一番印象に残ったように思います。
 チャップリン『黄金狂時代』の、特撮もCGも使っていないのに強烈なセンス・オブ・ワンダーを感じさせてくれた「靴を食べるシーン」。ヒッチコックのサスペンスを盛り上げる手管の名人芸。黒澤明『赤ひげ』の光と影の使い方の計算された見事さ。良いもんいっぱい見たなぁ、って感じです。
 正直なところ、やりたい事がいろいろ多すぎるので映画視聴はどこかで打ち切りにするつもりなんですが、しかしまだまだ見たい映画がいろいろあるのも確かで、さてどこで切り上げるか、大変迷っております。どうしたもんかねぇ……。


 アニメについては、何と言っても富野由悠季監督の新作テレビシリーズをリアルタイムに視聴できた幸福に尽きます。単一の意味、単一の解釈、単一のメッセージに収斂されない画面の圧倒的多様さ。そして何より、見ていることそのものが快以外の何物でもない、躍動感あるキャラやメカの動きの気持ちよさ。
 あちこちで話を聞くに、今のエンタメ作品においては、「分かりにくい事」「難解な事」はマイナスでしかないという状況が長らく続いてるようですが、私はやっぱり『Gレコ』の複雑であるがゆえの豊饒さが好きなんでなぁ。本当、見ている間は幸せだったし、視聴後にTwitterで思った事をツイートしたり、別な人の発見や解釈をたどるのも楽しかった。「富野ガンダムの新作をリアルタイム視聴できた」という、この幸福に浴した事は、多分一生忘れないでしょうね。


 他にも、感想記事は書きませんでしたが『がっこうぐらし!』辺りも実は通して見ていて、けっこう楽しんだりしていました。私がガンダム以外のTVアニメを通しで見るのはわりと珍しいのだ(笑)。あれも、現在のアニメの傾向を自覚的に取り入れて露悪的に裏返して見せて、けれど引っ繰り返しっぱなしで逃げちゃったりしないでちゃんと明るい希望にもつなげて見せるっていう、『まどか☆マギカ』に近い問題意識の作品でありました。つーかニトロプラスはそういう事専門にやるスタッフ養成機関でも持ってるのかよって感じですが……w
 やっぱり、ごちうさ的な「日常もの」アニメなんて現実の過酷な側面を直視してないだけじゃねーか!って一回露悪的に問題点をえぐり出しておいて、けれど最終回で過酷な非日常に酔って何もかもぶっ壊してしまわずに、「けれど日常も大事だよね」って落とす辺りのバランス感覚、ほんと心憎いし上手い。すごく共感もします。あそこで最終回が破局だったら、多分私はネガティブな評価をしたと思う。
 まぁしかし、たまにガンダム以外のアニメ見たと思ったらニトロプラス関係ばっかになってしまうの、微妙に癪ではあるw


 ドラマでは、ともかく『孤独のグルメ』が楽しかったわけでした。ふふふ、遅番勤務固定の私は世間様より生活リズムが3時間から4時間くらいずれてるので、孤独のグルメで飯テロを食らってからも、悠々と夜食を食べていられるのだ。
 前も書いたかどうか、あのドラマの井之頭五郎は私のヒーローなのですよ。自分の食欲のために払う金額をいささかも躊躇しない。逆に金に糸目をつけないからと高級料理とかにこだわるわけでもなく、イカフライとトンカツみたいな庶民メシに舌鼓を打つ……ほんと、その時に自分が何を食べたいかだけに純粋に従っているっていう。あの姿には憧れます。ああいう風に生きたいねぇ。



      ○ゲーム
 今年はPCを高性能なグラボ積んだお高いやつに変えまして、その影響でわりと色々ゲームで遊んだ年でもありました。
 前々から気になっていたスカイリムやってみたりしたんですが、しかしオープンワールドのリアルなゲームはやってみたかったけど、別に血ィどばどば出るようなサツバツとしたゲームがやりたいわけじゃねぇんだよ、という感じでだんだん疎遠になり。
 で、『Team Fortress2』という、まぁ首が飛んだり血ィ出たりはするけど控えめで比較的ポップなアクションゲームをけっこうやったりしてました。ダイレクトヒット使いのソルジャー、あるいは状況次第でパイロ、デモマン、ヘビー、メディック、エンジニアなんかもやる。スカウトも練習中。たまに気まぐれでスナイパーもやるが、スパイだけはどうにも性に合わない。そんな感じで。
 どうもこの手のアクションゲームをやると、後先考えずに突っ込む鉄砲玉になりがちで、なのでスパイみたいなプレイスタイルはどうにも向いていないらしい(笑)。


 あと、Steamで『虫姫さま』が発売されたのでプレイしたり。あと新PCに東方作品を一通り入れて遊び直したりもしてました。
 『艦これ』は今年の後半からは全然プレイしてなかったり。やっぱり艦娘集めるのをモチベーションにやってるんで、一度イベント限定艦を取り損ねてしまうと、当分リカバリーきかないなぁと思ってやる気がなかなかあがらない感じです。
 で、結局PC変えたものの、マインクラフトに落ち着いたりするんだよね(笑)。幸いスペックが上がったおかげで、視野を広めにしたりしてもぬるぬる動くようになったので、また新しいワールドで気長に遊んだりしています。せっかくPC性能良くしたんだからテクスチャ変えても良かったんだけど、なんとなくバニラで。そっちもぼちぼち進めたいですねぇ。


 実はスプラトゥーンが気になってて、うちは据え置き機を買うっていう習慣が無いんでなかなかアレなのですが、そのうち我慢できずに買っちゃうかもしれない。PS4もなぁ、ドラクエビルダーズとかGジェネ新作とか気になるので、もしかしたら買っちゃうかもw 他にやりたい事もあるんですが、なかなか有限な時間の使い方には頭を悩ませます……。



      ○旅行とか。
何気に今年は人生初の伊勢参りしたりもしたんですが、家族旅行だったので記事に起こしたりはしておりません。どうも私の中で、ブログ記事に起こすような旅行というのと家族旅行は別モノ扱いみたい。自分の中でモードが違うんでしょうねぇ。
 行きたいところも色々あるのですが、やはりしばらくは本からの情報インプットに注力したいので、旅行関係はしばらくあまり動きが無いかも。ま、あれもこれもいっぺんにはできませんからね。



      ○総じて
 年初の目標は未達成なものが多かったですが、それでもAGE解説に取り組む以前の頃に比べれば高効率に色々な事に取り組めてますし、充実しているのでしょうね。
 現在やっている古典読みは、どちらかといえば基礎固めであって、進めてもただちに目に見える結果や実績が手に入るわけじゃない類の活動です。もどかしいけど、ここで焦ったら意味が無い。修業期間だと思って、地道に続けていきたいと思います。あと1年……じゃ終わらないだろうなぁw あと3〜4年はそんな感じにならざるをえませんが。いいさ、私が本格的に稼働するのはきっと40代に入ってからでしょう(笑)。学生時代に怠けてた自分が悪い。ま、粛々とやりますさ。


 そんな感じで、まぁ今年一年お疲れさまでした、私。来年もがんばりますよっと。