聖杯伝説


図説 聖杯伝説 ~その起源と秘められた意味

図説 聖杯伝説 ~その起源と秘められた意味


 昨年から『Fate/Grand Order』を遊び始めたわけで、これはまぁ、アーサー王円卓の騎士が重要人物として登場したり、ゲーム内用語として聖杯が登場したりしていたため、去年は例年になく「聖杯」という単語を見聞きした年でありました(笑)。
 それに加え、はじめてアーサー王伝説の原典のひとつ『アーサー王の死』を読んだわけですけれども。その中で聖杯が登場するわけですが、その登場の仕方が想像とかなり違ったので、ちょっと興味を引かれたという事がありました。


 そんなもろもろで、久しぶりに古典読みキャンペーンから外れて、気の向くまま人文書を手に取って見たり。


 先に結論から言いますと、本書の人文書としての評価については、私個人の尺度で見る限りちょっと低めに見積もらざるを得ませんでした。最後の方、結論が聖杯伝説への考察から外れて現代文明批判とかに行ってしまったので、逆に学術書的な正確さをこの本から汲み出す事を断念せざるを得なかったという感じです。
 なのでまぁ、本書から自分用の勉強メモへ情報を移行するのはかなり慎重になるわけですが。そういう本だからといって、読んだのが無駄になるわけでもないのですよな。
 アーサー王関連の作品がどの国にどれくらいあるのか、といった辺りは本書で認識を改めた情報でした。原典だけを読んでると、逆にそのテーマにおける全景を把握するのに手間取ったりするので、たまにはこういう本で俯瞰してみるのも悪くなかったり。
 それにまた本書は図版も豊富なので、今まで文字でしかなかったイメージにかなり視覚的な情報がプラスされた分もありました。


 もろもろ含め、わりとそれなりに有意義に読めたのではないかと思います。まぁ、いずれより突っ込んだ内容の本にも触れてみたくはありますが。とりあえず今はこんなところですかね。
 さて、次。