アイデア大全



 本書の著者である読書猿さんのブログはまれに読みに行ったりしていて、その方がついに著書を出したというので買ってみた次第。
 ジャンルとしては実用書、あるいはビジネス書ということで、普段ならまず手に取らないタイプの本なのですが、著者を信頼して手に取ってみて、見事に予想のはるか上の楽しい読書体験をもらったのでした。
 うむ、良い本だった。


 発想やアイディア、ネタ出しのための方法とか、その手の話は断片的に目にしたりはするし良く見るわけですけど、それらを人文学としての視野の広さで、数千年の射程でまとめなおし、体系立てて分類整理して見せた手並みが、流石というか何というか。方法論別にまとめられているから自分にあった方法を探しやすいし、また手広くカバーしてるから、目の前の方法に別な方法をミックスしてさらに発想を発展させるようなサジェストもできるという。
 ともかく、何かのネタ出しをする時に使えるツールが一気に増えて、なんとも心強い感じがした読後感でした。


 大体、実用書は普段読まないと言いつつ、一応小生、小説を書いたりもする人間なので、アイディア出しネタ出しの需要はあるわけなのですよね。なので、こういう形で強力な内容の本を手元に置くことが出来たのは非常にラッキーでした。うーむ、さすがの手際であります……。


 と、なんというかベタ褒めするしかなくてちょっと面映ゆい、そんな読書感想でした。世の中広いなぁ……。