法の精神
- 作者: モンテスキュー,野田良之
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1989/08/16
- メディア: 文庫
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社会科の教科書で読んで、あとはギャグマンガ『すごいよ!マサルさん』の一発ギャグ「も、モンテスキュー!?」が印象に残ってるくらい……というモンテスキューですが(どんな前置きだ
いきなり、
「法律とは、その最も広い意味では、事物の本性に由来する必然的な諸関係である。そして、この意味では、ありとあらゆる存在はその法律をもっている。神はその法律をもち、物質的世界はその法律をもち、人間より上位の叡智的存在はその法律をもち、動物はその法律をもち、人間はその法律をもつ。」
という、とんでもないスケールなところから話が始まるのでビビりました。やっぱこれくらいの時代までの古典の大著、部分じゃなく世界全体を記述してやろうという気概が感じられたりして、そこが良い。
で、読んでみたら、想像していたより10倍くらい歴史書でした。社会科教科書のイメージで、国家制度について概論的に述べた本かと思ってたら、ギリシャ史やローマ史に関する言及がものすごい分量あって。3年くらい前にけっこう頑張って古代ギリシャ関連のあれこれを読んでなかったら、かなり厳しかったと思う。
なるほど、ギリシャ・ローマ史って西洋では基礎教養なんだな、頭に入ってないとこういう本でも歯が立たなくなるんだなーと改めて。
民主制、貴族性、君主制を並べて議論するというのはプラトン『国家』でも見ましたが、やはりこの辺の問題意識が西洋の政治思想のスタンダードなんですかねぇ。日本人だとイマイチ馴染みが薄いイメージ。
まぁでも、「名前はよく聞くけど、こういう本だったのか」という辺りで、それなりに興味深く読みました。さて、どんどん次に。