魔術 実践篇
- 作者: デイヴィッドコンウェイ,David Conway,阿部秀典
- 出版社/メーカー: 中央アート出版社
- 発売日: 1998/04
- メディア: 単行本
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いやぁ、なんていうか楽しそうなんですけど、魔術師生活(笑)。
ほら、釣りが趣味の人は釣り道具をそろえて手入れしたりして、自分だけの道具に囲まれて悦に入るじゃないですか。ゴルフやってる人もそうだし、なんだってある程度はそうだと思うんだけれど。
それと同じで、魔術師が自分の魔術道具を徐々に集めて充実させていって、ていうのは楽しそうだなぁと思ったりした。儀式用の剣とか、香炉とか、必要な道具がいろいろあって、しかもそれらは自分の好みで色々カスタマイズしたりもできて。
凝ろうと思えばいくらでも凝れる。奥深そうな分だけ楽しそうなのです(笑)。
例によって、アストラル界がどうのとか、そういう精神世界な部分が当然入ってくるわけですが、別にカバラの生命の木を探検したりとか、そういうところへの興味は実はあんまりなかったりする私。
元が「小説のネタにならんかな」という不純な動機で読んでいるのもありますが、もっぱら「魔術師と呼ばれてる人たちが一体何をやっているのか」に焦点をあてて読んでた気がする。
だから、唱える呪文とかは面白く収集したけれど、べつに実際にそれを唱えて幽体離脱とかしたいわけじゃないのです(笑)。
もちろん、そういうのを否定してるわけでもないですよ。トランス状態っていうのはあるし、しかるべき儀式の末に、色々と宗教的な体験をすることはあるだろう。それを求めてこういった儀式を実践していく人っていうのも、当然いていい。
ただ、私が人文科学的興味で見ているから、そういうところには食指が動かないというだけ。人文も科学の一分野ですので、第三者が検証不可能な、術者個人にしか見えないビジョンとかは扱えないしあまり関心も向かないということ。
それらが、それこそ例えば「生命の木」といった風に、一般化された形で、複数の人が参照できる形で残っているならばまた別ですが。基本的に、個人的な術者の体験までは私はカバーできないな、というところ。
そんなわけなので、巻末の「オカルト人名録」が非常に興味深かったです。
大学時代、私の友人が、顔あわせるたびに「バタイユがーバタイユがー」と言っていた時期があって(笑)、そのアオリを受けて『ジル=ド・レ論』だか何だかいう著書のタイトルも頭の片隅に引っかかってたんですが。
ジル・ド・レーって、ジャンヌ=ダルクの部下だったのね。初めて知った。それが悪魔崇拝で子供をいけにえで青髭のモデルだかだったりするらすぃ。素敵(笑)。
聖女の部下から鬼畜も出ますか。ザッツライフ。