異端カタリ派


異端カタリ派 (文庫クセジュ 625)

異端カタリ派 (文庫クセジュ 625)


 中世ヨーロッパを席捲したキリスト教の「異端」、カタリ派の盛衰を概略で解説した本。
 ゾロアスター教マニ教からカタリ派への流れを、おおむねわかりやすく説いてくれています。


 私は基本耳学問なので、ゾロアスター教についても「善と悪の二つの神が対等な立場で存在し対立している宗教」なのだと思っていましたが、それは違うらしい。
 やはり基本は一神教的に善の神が至上で、ただ現在我々のいるこの世界を作ったのは悪の神だという風に、創世を善の神から切り離しているところがポイントなのだそうだ。
 現実、この世、そして今我々の魂が宿っているこの肉体も、作ったのは悪の側の神。
 ゆえに、この二神教の教徒たちは肉体より生じるあらゆる欲を極力抑えて、禁欲的生活の末に死後善の世界へ行く事を目標とする、と。


 この辺、「高潔な精神と穢れた肉体」っていう対比は、現代日本では受け入れられにくくなってるだろうなぁとか思いながら読む。そうでもないかなぁ……。


 で、後半はカタリ派の歴史的な盛衰。とはいえ私の方に西洋史の基礎教養がないので、あまり理解したとは言いがたい感じ。
 まあ、アルビジョア十字軍と、モンセギュールっていう地名だけは覚えておくとしよう。


 そんな感じ。