カオス


カオス (複雑系の科学と現代思想)

カオス (複雑系の科学と現代思想)


 再三書くけれど。私にとって、「複雑系」の考え方はダイレクトに希望のイメージなのであります。


 で、この本でとりあげられているのは、複雑系の母体にして前身であるカオスについて。
 もっとも、私はもうちょっと入門書的にわかりやすいものを期待していたのですが、中身は結構高度というか、専門的で、あんまり頭に入ったとは言いがたい状態。


 ただ、ここで問題になっているのは――私が時々、メッセで友人と話す問題と関わっていて――つまり「言語化できない事象・もの・概念は存在するか」という事なんじゃないかなと、そんな風に思った。
 言語化できない以上、「そういうモノがあるんだよ!」といくら主張しても、立証しきれず相手を納得させられない。
 けど、データを眺めていると、言葉には出来ないけれど何か起きている。
 何か起きているんだけれど、その現象を従来の科学による式で表すことができなくて、他人に伝えようと思ったら膨大なデータを丸ごと渡して見せるしかない。
 そういう事象を、科学はどのように扱っていくか、という話。


 実際、私にはこの本の中で語られている事がどれくらい信をおけるのかもわからない。
 大体、この本自体、出版が1997年と古いので、その辺も考慮しておく必要がある。
 ここで問われているような問いが、その後どういう風に扱われていったのか……その辺をアウトラインで、分かりやすく知ることができたら良いなと思うけれど、早々そんな都合の良い本も見つからず。
 まあ、ぼちぼちやるさ。今後も私の中でかなり関心深い領域であり続けるのだろうし。