武装錬金1〜2巻
- 作者: 和月伸宏
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2004/01/05
- メディア: コミック
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先日紹介した和月論と関連して、ちょっと読んでみました。
一部熱狂的な支持(?)を受け、アニメ化もされるという話の『武装錬金』。
えー、二巻まで読み終えての感想ですが。
……和月先生……酸素欠乏症にかかって……(ぇ
いや、「パピ! ヨン!」の辺りとかね、もう本当に父親を見るアムロの心境ですよ(笑)。
もちろんバカは好きなんですけどね私、だからこれも嫌いじゃないんだけど……ていうか変な愛着を感じるのは確かなんですけど。でもねぇ、かつて剣心をやった人が、今さらこういう話をやってるってのは、どうなんだろうなぁ。
斗貴子さんのキャラとか、わりとよく描けてると思うし。主人公の妹とかも笑いを取るキャラとしてすごく魅力的だと思う。パピヨンも……突き抜けてるからこれはこれで好き(笑)。
だけどね、なんだろうな……ホムンクルスや、武装錬金など、設定・道具立ての部分が弱い。その辺に不確定な印象が残ってるから、世界観がカチッとしないというか、世界の広がりみたいなのが感じられない。
全盛期『剣心』の、バトルとしての魅力であった「攻防の面白さ」みたいなのが、なくなっちゃってるんですね。
確かに、和月先生があえて、剣心でやってたトラウマを主体としたドラマを避けて、少年を主人公にした王道な少年向け作品を作りたいと、そう志し進もうとしているのは、そりゃ応援したいのです。弥彦好きだったしね。
けど、やっぱり客観的に見て、この作品には『剣心』にあった奥行きを感じられない。
作家には二種類あるんだと思うのです。
設定、道具立て、世界観などを一から作るのが得意な作家と、そうでない作家。
ただし、これは後者が前者に比べて劣っているというわけではありません。
既存のイメージ、道具立て、世界観を借りてくることで、真価を発揮する作家っていうのもいると思うんです。歴史に材をとったり、オマージュを捧げたりするのが得意な作家。
和月先生は、後者だと思うので。
だから、多分、この『武装錬金』みたいにバトルのシステムや世界観を一から作ろうとするより、剣心みたいに時代や世界を既にあるものから取った方が向いているんだと思う。
だって結局、オリジナルやろうとして、『ガンブレイズウエスト』はワンピースと似ちゃったし、『武装錬金』はハガレンとかぶっちゃったわけですからね。
そのうえで、剣心の弥彦に感じたような、少年的ながむしゃらな前向きさを肯定できる、気持ち良い作品をまた作ってくれたらな、と思っているのですけれど。