12月のベロニカ

12月のベロニカ (富士見ファンタジア文庫)

12月のベロニカ (富士見ファンタジア文庫)


 知り合いに借りて読んだ本。
 未だに本格的なハイファンタジーというヤツを読んだ事がないので曖昧な言い方になるけれど、まあ、わりと本格志向なファンタジーなんだろうなと。
 剣と魔法、じゃなくて、剣と神話、というような(それあってるのか?


 とにかく構成が綺麗。よく出来たミステリー小説くらい、細部の構成に気が使われていて、ひねりも利いている。プロットの周到さは見事としか。
 特に、再読に耐えるというか、むしろ再読時にこそ感慨を残すっていうのは、すごくセリフとかの一つ一つに至るまで気が配られてるということで――やっぱり、これくらい周到であるべきなんだよなとかまた反省病。


 ただし、文章はさほどの名文家というほどもなく――ていうか、どちらかといえば下手な部類。心情描写過多。
 けどまぁ、一読の価値はあるかな、という感じでした。