とある魔術の禁書目録2



 シリーズ二作目。敵は錬金術師。
 この人の文体というか文章のクセは非常に特徴的で、「○○○だから、ではなく、△△△だからだ」っていう、こう見えるけど実はこう、的な強調の仕方をよくします。正直多すぎてちょっと鼻につくんだけれども、そんな感じでこちらの思惑を過剰なくらい裏切っていくわけで、その意外性が油断ならない分、冗長にならない感じがあります。


 この手の、ライトノベルや漫画やアニメで使われるモティーフっていうのは大体決まっていて、錬金術なんかもかなり使い古されている部分があるのだけれども。この人はそこを上手くはずしてきてるのが、見事だったなぁという感じ。なかなか面白く読めました。


 新規登場人物については……口絵にもある巫女服の娘さんがそうなんでしょうが、うん、とりあえずあんまり活躍していなかったというか、よく分かりませんが。自分もこないだ、思いっきり活躍しきれてないキャラを登場させてしまったばかりなんで大きな口は叩けないけど(笑)、それにしても、うん、別に巫女服じゃなくてもよくね?
 ていうか、この話、構想段階では錬金術の話じゃなくて、和モノの言霊とかその辺を使う話にする予定のプロットだったんじゃないかな、とか邪推してみる。いやだって、本当に巫女である意味なんか一ミリもなかったからね(笑)。


 いずれにせよ、なかなか楽しゅうございました。続巻も買う予定。