2006年


 ぐだぐだな年でした。とくに執筆方面で。
 長編二本投稿して、どちらもギリギリまで遅れて推敲の時間すらなかったっていうのは最悪。
 完成度もイマイチ。得るものは色々あったのですがねぇ……。


 まあ、次の跳躍へ向けて、膝を屈する期間であれば良いなと思うのでした。
 来年は1月から職探し。仮にうまく仕事を見つけられても最初の一年くらいは仕事に慣れるのに精一杯で作品に集中して取り組むどころじゃないでしょうから、当分本格的な執筆は無理かな。
 けど、HPを設置して作品連載を細々続けるくらいはしたいものです。


 んで、読んだ本とかを振り返ってみたり。


   ☆小説
 ライトノベルばっか読んでいた模様。まあ、当然っちゃ当然。
 けれど極端に当たりを引いてるわけでもないんですよね。特に面白かったのは『とある魔術の禁書目録』『おりがみ 天の門』『夏期限定トロピカルパフェ事件』くらい。
 こうしてみると、ラノベで当たりを引く率っていうのは決して高くないのかね。まあ、元々ある程度、消費財として書かれているジャンルでもあるからなぁ。
 とか色々考えてしまいます。


 それ以外だと、太宰治の『斜陽』が面白かったのと、あとは『煙か土か食い物』が傑作だったのと(笑)。
 そんくらいですかね。今年は京極の妖怪シリーズの新刊が読めた幸福な年でもあったのですが、かつてのような膨大なプレッシャーを読書中、彼の作品から感じなくなったのが重ね重ね残念。



   ☆コミック

 今年一番の個人的収穫は、やはり何と言っても『ヘルシング』(笑)。
 久々に自分の作風とかにまで影響与える作品に出会いました。こんなとんでもねぇものが出版されるんだから、日本の出版業界も捨てたもんじゃないね(笑)。


 また、今年読んだ中では、『トーマの心臓』とかも独特な感じで面白かったかな。重厚な心理劇、群像劇。何よりああいう空気感を出せるっていうのは、やっぱりすごいよね、という。


 あと今年は、『ヨコハマ買い出し紀行』の最終巻が出た年でもありました。
 やっぱり寂しいような気はしますけどね。私自身がかつて肌で目で耳で感じた、そんな体感をふっと喚起してくれる稀有な作品でしたから。けど良かった。お疲れ様という感じです。


 あと……あー、結局宗像教授買ってないんだよな(ぇ


   ☆その他読書

 なんか宗教関係の本ばっかり読んでたみたい(ぇ
 特に今年の半ばくらい、一神教多神教が個人的テーマだったらしく。カタリ派の本とか読んでました。


 特に面白かったのは『魔術』ですかねぇ。理論篇と実践編。今まで知らなかった、違うパラダイムを導入するっていうのは刺激的で。なかなか。


 ていうか、やっぱ冊数少なすぎだよなぁ。もっと色々貪欲に読んでいかないと。


   ☆映像作品関係
 ベストは『パプリカ』。これは最高でしたので。
 まだ上映やってるんじゃないかと思うので、見てない人は年明けにでも見に行くよろし。
「良いもの見せてもらいました」って気にさせてくれます、きっと。


 アニメに関しては、『リーンの翼』……と言いたいところなのですが、うーん。画面の充実とか、純粋な構図、絵の力というのは感じつつ、やっぱり自分の感性があれにピンと来なかったので次点止まり。
 それよりは、『舞-HIME』を見た時の「ああ楽しいなぁ」っていう感じ、娯楽アニメとしての楽しさを充分感じさせてくれたこっちの方が印象は深かったり。
 もちろん、数年後には忘れられてしまう、消費財としての娯楽ではあるのだけれども。それでも、手を変え品を変え色々な側面から受け手を楽しませる、この「楽しさ」をラノベ作家志望私は軽視するべきじゃないよね、という。


 そして、無視して通れない『涼宮ハルヒの憂鬱』。傑作と言わないわけにはいかない、という感じ。
 とにかく丁寧に仕事をする事が、突き詰めればそれ自体で芸になるっていうのを見せ付けてくれたっていうのは大きいですよね。ライヴの回では、ギターのコード押さえる指まで再現してくるし。「射手座の日」でも、パソコン画面の中にほんの一瞬しか映らないハッキングのコードが、本当に実際に使ってもおかしくないものだったり。
 原作の読み込みと深い理解という点も含めて、本当に職人仕事でした。
 非常に高いレベルで「アニメ化の理想形」っていうのを見せられて、今後アニメ業界も色んな意味で盛り上がるんでしょうねぇ。


 あと、今年前半は映画を何本か借りて見ていましたが。そんな中で実写映画で印象深かったのは『仁義なき戦い』だったかも知れませんw あの時代ならではの勢いと、善悪に安易に分けない、ノンフィクションっぽい作劇はやっぱり面白かったし。


 そんなところ。来年、また映画とかも見れるといいな。



   ☆ゲーム
 東方文花帖。これに尽きます。
 同人ですけど、本当にプレイしている間、幸福感でなみなみと満たされてました。あんなに心から楽しかったのは久しぶり。
 やっぱりゲームの楽しさってのは、映像技術とかそこまで関係ないんだよね、きっと。製作者が課題を出して、それをプレイヤーがクリアしていく、そのシンプルさの中にゲームの醍醐味ってあるんだと思う。
 それを分かっているZUN氏は、やっぱゲーム製作者としてすげぇなっていう感じ。


 あとは……連ザⅡとかかなぁ。いや、書いてなかったけど実はPS2版買っちゃったんですけどね、中古でw
 正直ゲームのバランスとしてだけで言えば、無印連邦vsジオンの頃が一番面白かったと思うのです。DXで陸戦型ジムとか陸ダムとか出て、エゥティになってまた機体が増えて、選べるMSは増えたけどゲームとしての完成度は実はわずかずつ後退してたのかな、っていう気はします。
 どの機体にも見所があって、どの機体にも活躍のチャンスがあって、という部分ですね。あと、CPU戦での難易度とか。シンプルな操作で深い駆け引きのある対戦が出来てたこととか。作品を重ねるごとに、操作が複雑になっていくのは避けられないことですしねぇ。
 そういう意味では連ザシリーズはそこまで魅力的ではないんですけど(原作にうといってこともありますが)、ただ対戦ツールとしては流石に完成度高いのだなぁとかは思います。弟とかとやるとそれを実感する。
 連ザⅡもその延長線上な感じですかね。ただ、さすがに操作がごちゃごちゃしてきてどうにも。



 ざっと振り返りましたがそんな感じ。
 こうして見てみると、執筆はぐだぐだだったけど、いろいろと「楽しむ」ことはできていた一年だったのかも知れません。新しい楽しみにも色々出会えたし。
 ならこれもアリかな。自身が楽しんだ、その気持ちがないと読者を楽しませるものもきっと書けないと思うし。
 来年も色々と見たり聞いたりしたいとは思いますが、余裕ができてきたらそれだけでなく、その見聞きしたものを作品に昇華していく方向でももう少し頑張りたいところ。


 反省会は以上。






(一人暮らし一年目が終了したわけだが、その点での私生活の反省はしないのか?)


 ふっ……なんのことかな?(ぇ