東方三月精


 先日、東方専門に使っていたゲームパッドのボタンがついにペナンペナンになってしまいまして。
 買い換えようと量販店に行くと、ちょうど閉店セール中。で、1000円を切るような品物があったので……折からの金欠もあり、「これでいいや」と購入。


 結論。安物買いの銭失い。


 とにかく十字キーの精密さがまったく駄目。弾幕シューティングは精密な操作が命です。こんなパッドじゃ戦えません。
 あれだ、「仙狐思念」やったら一発で死にそうな、それぐらい入力が適当。


 まったくもって。私としたことが、「弾幕シューティングの戦いはパッド選びから始まっている」という基本的な格言を忘れるとは。嘆かわしい限りであります。
 とりあえず、次の給料出たら、もっと良いやつ買いなおします。しくしく。


 それはそうと。すっかりレビューが遅くなってしまいましたが、ZUN氏原作の漫画『東方三月精』です。

東方三月精―Eastern and Little Nature Deity (Kadokawa Game Collection)

東方三月精―Eastern and Little Nature Deity (Kadokawa Game Collection)


 内容は、コミック、同人誌ゆえ一般にはあまり知られていないだろう東方作品やキャラの紹介、そして付属のCDに例によってくっついているZUN氏作曲の音楽というもの。


 まずコミックですが、それなりに面白かったです。
 まあ内容はあってなきが如し。いたずら好きな妖精三人の毎日を描いたまったり漫画。ZUN氏らしいちょっと捻くれた理屈っぽさも健在で、まあこれのために掲載誌を買うには少々中身がなさすぎるけど、こうしてまとめて単行本で読む分にはそれなりに楽しく。


 メインキャラたちも可愛らしいし。それに第0話のレミリア様を見た瞬間に、「ああ、とりあえず元は取ったな」という気分にさせられました(ぇ 余裕っぷりの表現が良い。


 で、第二部の東方キャラ・作品紹介ですが。
 まあかなり重大な誤植があるということで一部で話題になってますけど(笑)、個人的には『東方求聞史紀』読んだばっかりだったし、ここは流し読み。
 歴代東方作品紹介も、雑誌の片隅にのる記事程度で、なんだろうなぁ、いかにも商業的な視点から書かれた記事だなぁって思ってしまいました。広告とかの、売ろうとしている人たちの文体。
 別にそれが悪いわけじゃないのですが、東方は作り手のZUN氏自身が「同人作品は、別に売れても売れなくても良いという所が一番肝心なのだ」という思想の持ち主であり、そのスタンスあればこそ作り手の好きなように、伸び伸びと良い作品を作ってこれたわけで。
 そういう東方のあり方に慣れていたものだから、ちょっと齟齬を感じたのかも知れません。温度差、とでもいうか。
 まあいずれ、そんなに重要な部分じゃない。


 で、付属の音楽。
 ――悪くはないと思うのですが、やっぱり私は氏の音楽は、ゲームとセットで楽しんでいるんだなと再認識しました。音楽、ビジュアル、弾幕と総体的な形で提示された「キャラクター」が魅力的なので、彼の音楽もその「キャラクター」を軸に聞いて楽しんでいるのが今の私なため。
 音楽だけ提示された場合、あまり感興がわいてこない面はあります。


 まあでも、コミック部分はそれなりに面白く。まあ買って損をした気分にはなりませんでした。東方ファンなら、過度に期待しなければ買っても大丈夫な本かと。


 そんな感じ。