フルメタル・パニック! 戦うボーイ・ミーツ・ガール
戦うボーイ・ミーツ・ガール―フルメタル・パニック! (1) (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 賀東招二,四季童子
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 1998/09
- メディア: 文庫
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なんか、あちこちで世評は高いみたいで。たまたま読むものが無くて、出し抜けに買ってみた。
感想。これはレベル高い。
軍事関係の知識の深さと描写力。そこに架空の兵器を混ぜ込んで、なおリアリティを確保する空想力。それらミリタリな部分と、青春物語な部分、それに前半のコメディタッチな部分を両立させる筆力。
どれを取っても見事なもの。こりゃ大したもんだ。
ハルヒみたいな大きな話題性を持つわけじゃないけど、ひっそりと続きが発売されるたびに確実に売れているといのも納得。キャッチーな、奇抜な事をしているわけじゃないけど、作家としての地力で読ませているってことで、つまりすげぇ作家さんなのだった。
やっぱり、一つ得意分野があるってのは強みですよね、こうしてみると。まず何よりも軍事的な描写の説得力があって、そこに読者が信頼を置くからこそ、安心して他のコメディな部分とかも読める。作品全体への信頼につながるというか。
色々勉強になります。
何より、誰一人として、死に体になってないというか、お話の犠牲として捨てキャラにされてない。
宗介の凄さ、かなめの凄さ、〈ミスリル〉の凄さ、ガウルンの凄さ、全部この作品から読み取れる。主要キャラを噛ませ犬にしないと主人公の凄さが描けないとか、敵キャラを噛ませ犬にしないと同上とか、そんな雑な作品じゃない。
これ、けっこうレベル高いことなんですよ?
とにかく、さすが世評が高いだけの事はあると納得。続きも読んでみようと思います。