東方儚月抄 コミック版第九話


 ComicRex連載の東方漫画。
 月へ行くロケットの完成を祝って紅魔館でパーティーの図。


 とりあえず、魔理沙霊夢のお出かけ衣装がかわいい。そういや魔理沙って魔法使いだったね。なんかもう忘れそうになってましたよ(笑)。


 そして幽々子様と妖夢も新衣装で登場。
 さらに紅魔館では東方キャラクターがほぼ総登場の大盤振る舞い。これは嬉しい。このページだけやたら長時間眺めてしまいました。
 妹紅の呑みっぷりが良い絵になってます(笑)。


 相変わらず、幽々子様が何を考えているのかさっぱりです。戸惑いまくる妖夢にひたすら共感。とはいえ、彼女の真意が知れないため、今後のお話がどうなるかもまったく予想がつかない事は確か。そういう意味では面白いわけですが。
 とりあえず、妖夢くらい純朴で実直じゃないと、幽々子様の従者なんて勤まらんな(笑)。


 そんなわけで、非常に楽しい回でした。
 それにしても、連載開始当初は、スペルカードでバリバリ戦闘しながら進む話かと思っていたのですが、そんな事は全然ないですねぇ。やっぱり東方のデフォの空気感はこうなんだなぁ。
 しかしそうなると、月面戦争という剣呑な響きの言葉のもと、今後どうなっていくのかも想像がつきません。
 あー、神主やっぱ上手いなぁ。


 あと、パーティーのシーンで、会話に興じている組み合わせが面白いですね。アリスとメディとか。秋静葉と早苗さんとか。
 映姫様もオフだったらしく、さりげに参加されてますが。
 あと、紫配下の藍様とかもいるんですけど、これ大丈夫なのかしらね(笑)。


 そして、「私は/あの月の民を間諜と言ったのよ」のコマの幽々子様が綺麗で素敵でした。
 東方世界の面白いところは、ゲームとして戦いの要素があるにも関わらず、「強い/弱い」という端的な評価軸とは別な格付けで語られる事なんですね。
 東方界隈の言葉で言うなら「カリスマ」。
 強い弱いで言えば、花映塚のようにチルノが5ボスクラスの咲夜さんに勝つこともできるし、スイムソウのように3ボスクラスのアリスや美鈴がEXクラスの八雲紫を下すこともできます。
 それは、書籍の文花帖で語られているように、スペルカードという形で、えげつない弱肉強食のバトルを排して、半ばスポーツ的な戦いをしているからなんですね。
 しかしそれでいて、格の違いはしっかりとある。何かといえば、貫禄――「カリスマ」の差なんでしょう。
 そういう構造になっているから、1ボスのルーミアやリグルが平然と、6ボス勢たちと肩を並べて同じ画面に映ることもできるし、それでいて主人と従者といった上下関係も織り込むことができる。
 上下方向も含めた個性付けはあるのに、キャラ同士が絡みにくくなるような強弱の格差はない。それが、東方の二次創作が現状これだけ隆盛している理由の一つです。
 幽々子様の貫禄を見ながら、やっぱ東方の世界観は上手いよな、とまた思ってしまう私なのでした。