ComicRex 東方儚月抄 コミック版第十話


「あ、あれは伝説の……レミリア・スカーレット萃夢想しゃがみガード!」
「知っているのか雷電!?」


 というわけで、REX連載の東方儚月抄、第十話。いよいよ月へ向けてのロケットが打ち上げられました。よもや、あんなもんが飛ぶとはねぇ(笑)。
 でも、あんなロケットが本当に月へ向けて飛んじゃうあたりが、東方作品の現在における魅力なのかな、と言えなくもありません。今、エンタテインメントで、あんなモノを正面きって、大真面目に月へ打ち上げるような作品って意外に無いよね。児童向け読み物や絵本の中にならありそうですが……それでも現在の作品は、なんていうかもっと「リアリズム」の呪縛を受けてそうな気がする。
 あんなケッタイなモノを打ち上げたって良いんです、それがフィクションの強みなんです。なんか、古き良き児童文学の香りがして楽しい。ドリトル先生とかさ。今の若い人は知らなそうですけど。


「ロケットは赤道付近で打ち上げられた方が、エネルギーが少なくて済む」というわけで、ロケットの下に赤い道をでかでかと描くパチェ。彼女らしい、ちょっとずれた験担ぎというところですが。
 でも考えようによっては、これってれっきとした類感呪術ですよね(笑)。呪術の基本的な発想法っていうのはこういうものです。パッチェさんは間違ってません、多分。


 で、実は予備のロケットブースター役だった魔理沙さん(笑)。やっぱりそうなのか。


 ところで、咲夜さん霊夢に敬語で話しているのが気になります。魔理沙にはタメ口だから余計。この辺の関係、やっぱり未だに時々謎ですね。一定していないんだけど……でもそこまで違和感ないのは、知り合い、客とメイド、などなど複雑な関係の力学がある、複雑で不安定な心の乙女さんたちだからなのかも。オータムスカイ。


 そして、レミィが乗り込んでついに発射。
 とりあえず、霊夢が巫女としてきちんと働いてるのを見るのは新鮮です。これが初めてってわけでもない筈なのに、なんでだ?
 ついに動き出すロケット、そして開く図書館の天井……って、そこ開くの!?(笑)


 とりあえず。ロケットを見送るパチェ、かわいい。
 うん、やっぱり人気投票でパチェに投じた2票は惜しくないものだった。うん(何


 そして永遠亭陣営。こちらも、両の袖を合わせてる輝夜さんがかわいい。
 しかし、やっぱり輝夜さんは事件の全体像を把握はしていない様子。それで良いのか6面ボス。果たして彼女に見せ場はやってくるのでしょうか。
 一方、妙に貫禄あるのが、てゐさんの言動。今のところ、永夜抄陣営の中で、儚月抄で一番株を上げてるのはてゐじゃないかしらっていうくらい。


 というわけで。
 やっぱり今後どうなるのか、展開が読めません。スタートの立ち上がりはスローでしたが、完全に事態が動き始めた今、やっぱりこれは結構面白い。
 アンケート結果や売り上げなんかに左右される、第一線の漫画誌連載だったら、こういう話はできないんじゃないかな。そういう意味でも、今後が非常に気になる良い作品だと思います。


 さて、今月は『キャラ★メル』の小説儚月抄もありますし。楽しみに待つことにしましょう。