ジョークとトリック


ジョークとトリック (講談社現代新書)

ジョークとトリック (講談社現代新書)


 よく見たら初版が1983年って、かなり古い本なんですな。
 どうりで、本の中に時々明らかに古い話題が出てくると思った(笑)。


 というわけで、相変わらず仕事の休憩時間に、息抜きで読んでた新書です。
 なんだかんだで、人間ってのは先入観や錯覚からなかなか逃れられないものですし、その点でこういう、思考のくびきをはずしてくれるような本はそれなりに面白い。


 まあ、語られている事はそこまで先鋭的ってわけでもなく、この手の話題の基本的な事項を確認していくような感じが強く感じたので、まあそこまでエキサイティングってわけでもなかったり。
 無論、個々の話題で「これは」と思うものもあったはあったんですけどね。何でもかんでも明示するだけが能でなく、あえて「隠す」ことによってより強い印象や効果を挙げられる事もあるとかね。私も文章書いていると、つい何でも必要以上にくどくど書いてしまうんで、肝に銘じなきゃなぁと思ったり。


 しかしこの本で一番面白かったのは、実は個別の事例でいくつか出てくる「語源」関係の話だったり。
 たとえば、猿のことを「エテ公」と言ったりするのは、猿が「去る」の音に通じることから、その響きを嫌って「得て」の音を取るようになったからだとか。
キセル乗車」を何でキセルと言うかというと、キセルの吸い口と雁首、つまり「両端でだけ金(きん・かね)を使う」からそう呼ぶんだとか。
 へぇーへぇーへぇー(笑)。


 そんな感じで。息抜き用にしては、けっこう楽しめましたよ?