日本霊異記・上


日本霊異記(上) 全訳注 (講談社学術文庫)

日本霊異記(上) 全訳注 (講談社学術文庫)


 ぼちぼち読んでいた日本霊異記。上巻をようやく読了。
 まぁ、やっぱり原典を少しでも押さえておきたいなぁという、周期的にやってくる焦燥感の表れであります。
 講談社学術の棚で、現代語訳と解説がついてるやつの中からたまたまチョイスしたわけですが。


 とはいえ、やっぱりこういうのって、漫然と読んでてもあまり身にならないので。
 今回は、各話ごとにメモをつけながら読みました。聖徳太子とか役小角とか、後々参照する可能性の高い情報については特に。ちょい前からやってる「お勉強」のデータと共用で作ってるので、検索にも対応。これで少しでも、いざという時に役に立ってくれるといいなぁ。


 とりあえず、まあこの『日本霊異記』自体は仏教説話集なので、慈悲のない行いをした男が後でひどい目にあうとか、そういう話が中心ではあります。
 なので、鬼が出てきちゃったり、なんかとんでもない怪奇現象がおきたり、といったような破天荒な内容は意外に少なかったりして。
 まあでも、これはこれで。著者の景戒さんて、前書き的な冒頭部分の述懐を読むとなんかかなり謙虚で真面目な人だったっぽくて。まあそういう人だからこそ仏教推進に情熱傾けられたんだろうなぁと、思ったり思わなかったり。


 また、説話として面白かったのは、道照法師ですね。この人の立ち位置は面白い。
 中国に渡って玄奘三蔵に教えを受けてて、日本に帰ってから後に行基の師になって、なおかつ『日本霊異記』の説話上では役小角とも接触があったと。
 この三人を結んでる人っていうのは結構熱い(笑)。なんか、伝奇っぽい話をやる時に、いつか使えないかな〜とか思ってますw


 そんな感じ。