すごい作品を見て、へこたれるか否か


すごい物を見てもへこたれない人
http://anond.hatelabo.jp/20081117033650


 なんとなく思う所を。
 とりあえず上の記事を読んで、以下のようにブクマコメを残しました。


> 受け手の自分と、作り手の自分のふたつを持ってるだけ。受け手モードで「スゲー!」って感動してから、作り手モードにスイッチして、舞台裏側から「これどうやってんだ?」と考える。それが出来るか出来ないか。


 要するにそれだけの事なんだけどねぇ、とか。


 たとえば、演劇で、なんかものすごく綺麗でハイレベルな演出を見て、大感動したとするじゃないですか。あんな綺麗ですごいもの、自分では絶対再現できないよって思う。


 けど、実際に自分の手で作品を作ってみた事のある人は、知ってるんですよ。そんな美しい舞台演劇も、裏側に回ればハリボテとか、時には間に合わせの小道具とかで出来てるって事を。
 だから、すごい作品を見て、受け手の目で大感動して「スゲー!」って思うのと、頭を作り手モードに切り替えて、「じゃあ裏側に回って、この大道具はどういう仕組みで作ってあるのかな」と分析してみるのと、その両方が出来るんですよね。
 分析するだけじゃだめですよ? 受け手の目も持ってて、良い作品は良いと思えないと、ハリボテを使って「何を作りたいのか」を見失ってしまうから。
 この、受け手と作り手の二つの目を持ってる奴は、いい作品を作れる……と私は思ってるんですけれども。


 多分、すごい作品を見て「こんなの俺にはできないよ」と思う人っていうのは、最初の一歩が踏み出せてないんだと思いますよ。
 ただいきなり、ハイレベルな舞台裏を見せられても、それだけじゃ全然、どこがすごいのか理解できないし、上手く把握できないんです。
 一度自分の作品を作った事があって、自分ではこの部分をこんなに苦労した、その同じ部分を「おお、こんな風にしてクリアしてるんだ」って感心して、それで初めて身になるんですよね。自分がうまくいかなかった、苦労した、失敗した部分をスマートに解決してる、というのを見て、それで初めて正しく、凄さが理解できるんだろうなと。



 才能がどうとかっていう話も出てますが……まあ正直、才能の差が出てくるのって、多分最後の20〜10%くらいの領域だと思いますしね。もちろん、その10%の開きっていうのは、めちゃめちゃ大きいんです。けどそれはもう、プロの世界の本当に最先端の領域だと思う。
 とりあえず80%くらいまでは、才能関係なく、ノウハウとテクニックだけで行けるんじゃないかな? 同人、というか、アマチュアで楽しむ分には80%あれば十分すぎるからね。


 まぁ……とはいえ、その80%の領域に至るまでには、やっぱりそれ相応の技術力の蓄積は必要です。その蓄積をコツコツできるかどうかが才能なんだよ、と言われれば何とも言えませんが。
 ていうか私もその意味での才能には全然恵まれなかったよ……(えぇ