2008年


 毎年恒例、今年一年を振り返って。


   ・執筆
 去年よりはマシ、な感じですかね。二次創作ですが一応、『クロスボーンガンダム外典』を仕上げる事ができましたし、新しい長編を書き始める事もできました。
 また、ネット小説SNS「dNoVeLs」を知り、そこに作品を発表したり、他の書き手さんたちと交流させていただいたりする事でモチベーションを上げる事にも成功しました。小説を書くという行為は孤独な作業ですが、それでもやっぱり「場」がないとダメなんですよね。
 そういう意味で、あちらのサイトの管理人様、および私なんぞと交流してくださった方々に感謝です。


 来年は、今書いてる長編を早い段階で終わらせて、またさらにいろいろやってみたいです。
 相変わらずストイックには程遠い感じで、あっちの楽しそうな事にもこっちの楽しそうな事にもフラフラと吸い寄せられてしまうのは変わってませんが(笑)、それでも少しずつ自分なりの作品作りもがんばっていかねば。



   ・読書(小説)
 あんまり小説読んでないなぁ。まあドストエフスキー『悪霊』みたいな大作に取り組んでたというのも一因ではありますが。それにしても少ない。ライトノベルが過半であるにも関わらず、15冊ぐらいしか読んでないよ。
 小説書き志望がこの体たらくじゃダメですねぇ。一応、風呂の中で本を読むようになって、読書時間自体は増えてるんですが。小説以外のものを読むのがメインになってました。
 来年はもっと小説を読もうかなぁ。


 ちなみに今年読んで面白かったのは、ライトノベルでは『グリモアリス』のシリーズくらいですかね。あと『キノの旅』の12巻も安定して面白かったです。
 それから忘れてはいけないのが『Fate/zero』。エンタメ小説としては破格のクオリティの高さと面白さでした。本邦史上最高の二次創作作品のひとつじゃないかしら。とにかく「褒める言葉しか出てこない作品」って本当にあるんだなぁ、というのが衝撃だったという。今年のベストですね。それが商業ラインに乗ってないというのがまた、時代の流れというか。
 非ライトノベルでは、『高丘親王航海記』。「文」の「芸」すなわち文芸ってやつを堪能しました。博物学を貪欲に取り込んだ作品構成も見事で、さすがという感じ。
 また『悪霊』も非常に面白かったです。重厚ながら、それだけじゃなくこっそり笑わせられたり、全体的に楽しかったですね。翻訳ものの文学でこんなに楽しめたというのは初めてかも知れない。食わず嫌いせずにもっと読んでみようかなと思わせられました。



   ・読書(その他)
 「お勉強」を始めた影響もあって、原典をけっこう頑張って読んだ年でした。『竹取物語』『古今和歌集』『日本霊異記』など。どれも話としてのアウトラインは知ってるわけですが、やっぱり実際読んでみると色々発見があるもので。
 やっぱ原典にあたらなきゃ駄目だよねという思いを強くしたので、これは来年も続けていこうと思います。間に息抜きを挟みながらね。
 また、3月ごろに将棋の本とか読んでまして、先日めでたく永世竜王の座を射止めた渡辺明竜王の書いた新書が面白くて。それを機に竜王のブログを毎日覗くようになったりしました。実は竜王戦も中継サイトで棋譜を追ってまして、三連敗からの大逆転には個人的に近年では珍しいほどの興奮と感動を得ました。いやー、あれは熱い。これを機に、祖父ともまた将棋を指したりしようと思ってたりします(笑)。
 他、『江戸の怪異譚』など伝奇関係の良書にも出会えましたし、高校時代の恩師が書いた『収容所文学論』も刺激的でした。東浩紀大塚英志の対談集『リアルのゆくえ』も色々と考えさせられたり。なんだかんだで良い刺激をたくさん受けた一年でした。久しぶりに神保町古本まつりにも繰り出したしね。


   ・映像作品
 夏に『ポニョ』『スカイ・クロラ』を見て感想を書いたおかげで、やたらうちのブログに人が来たのであった(笑)。派生記事がシャア専用ニュースさんに捕捉されたり、あまり外向きでないうちのブログにしては珍しい。
 まあ、ポニョのエネルギーはやっぱり凄いよねぇとは思う。宮崎はやっぱり、難しいことにあくせく頭悩ませるより本能に従ってのびのびやった方が良いよ(笑)。難しい事は富野監督がきっとやってくれる……富野監督の新作まだかなぁ……。


 今年話題になった、ルルーシュとかガンダム00とかは残念ながら未視聴。それはそれとして、巡回先のグダさんのところとか、psb1981さんのところで熱の入った『キングゲイナー』感想・批評が挙げられてて、また『スーパーロボット大戦Z』にも参戦して活躍させてたりする関係もあり、なんか久々にキンゲ見たい気分が上昇中。来年時間が空けば、と思ってはいますが、はたしてその暇がありますかどうか。
 他にも色々見てみたい作品がないわけじゃないしね。ルルーシュとかも、周回遅れだけど見てみたいなという気はあるし。どうしたものか。


 で、今年も一日一回はニコニコ動画開いてました。といっても、去年に比べると滞在時間は短くなってますね。ランキングも1位から100位まで眺めて、開くのは2〜3個がせいぜい。最近はゲジマユ(MUGENのCPU同士の対戦動画)見ればあとは良いや、くらいになってます。
 東方ネタも、原作への愛が感じられない作品は見ないしねぇ。
 もちろん面白い作品も挙がってはいるんですが。
 まあ、私生活への影響を考えれば、これくらいの方が明らかに健全です(笑)。


   ・ゲーム
 東方新作、『東方地霊殿』が発売されました。
 ノーマルもクリア出来てませんが、相変わらずキャラメイク、趣向の独特さが心地よいです。科学と伝奇をクロスさせる発想の豊かさとしては、ZUN氏は間違いなく当代随一でしょうね。本当にこちらの想像の斜め上をカッ飛んで行くんだから。その伸び伸びとした発想には惚れっぱなしですよ。
 音楽も良かったしね。「華のさかずき大江山」が良すぎる。


 で、他に今年ゲームというと、まあスパロボZでしょうかね。
 一通りクリアしたら感想めいた事もまた書こうかとは思ってますが、とりあえず現在のところ、不満らしい不満も感じてません。
 実は一回、試しに二次α(途中でプレイ止まってた)をちょっとつけてみたんですが、そしたらびっくりするくらいテンポが悪く感じました。敵1小隊を潰すのに時間がかかってるし、動きももっさりしてるし。
 そうしてみると、Zのトライバトルシステムは見事な改良だったと言って良いのかなと思います。まあ……今回のシステムでようやくストレスなく進められるようになった、という言い方もできますが。そうでなかったら、やっぱり途中でやめてたと思うし。ゲームのテンポって大事だなぁ。


 あとは、上で紹介した3Dカスタム少女ですねぇ。マジで、今後のネット上での表現を変える可能性を持ってるソフトだと思います。エロゲなのが敷居高いけど、もっと発展してほしいなぁ。



   ・世相とか
 ……いやぁ、ひどい時代ですよね本当に。
 何がひどいって、結局あっちもこっちも、「底意」が簡単に透けて見えるというのが、世の中がこれだけ荒れてる原因なんだと思う。
 政治家が一見国民のためと言ってやってる事が、「次の選挙でうちに一票入れてね」という底意が見え見えであり。企業CMとか地デジとかもお客様の便利のためと言いつつ「うちの製品買ってね、消費してね」という底意が透け透けであり。
 とにかくどっちを向いてもそんな感じだから、状況が悪い上にさらに苛立ちが募るんだと思います。底意が少々あっても良いけどさぁ、せめて底意が見えない程度の情熱は見せてくれよ、という。


 今の与党にしても、全然勉強してないよねぇ。小泉がなんで支持されたかっていうと、選挙に、世論にマイナスになりかねない「国民に痛みを引き受けてもらう」っていうメッセージをあえて発したのが、底意が見えるのが常態な政治家の発言の中で光ってたからでしょう。
 その辺を分かってないから、未だに「選挙対策だ」なんて揶揄されるような政策しか出せなくなったりするわけです(特に公明党!)。
 ていうか、仮にも政治家を標榜するならさ、多少フカシでも良いから、「天下百年の計」ってやつを聞かせてくれよと。どいつもこいつも目先のことしか考えてないんだから。
 もう本当に、底意が見え見えなのはうんざりなんだけどなぁ。


 今年の3月頃に「呪いあれ」というエントリーを書きましたが、今も思いは変わりません。今の経済システムなんて早く破綻してしまえば良いと思ってます。「2009年後半からふたたび経済はゆるやかな成長に向かいます」とか言ってるやつを見るとぶん殴りたくなります。あーそーまた無理やり「成長」とやらを続けるわけだ。しかし当面乗り切ったとしてもさ。10年後は? 100年後は? 今のまま続けて本当にやってけるわけ? 俺らの子供の世代はそこそこ幸せにやってけるわけ?


 そんな風に思う私は、今年発売されたゲーム『東方緋想天』で八雲紫が言ってたセリフを、新聞やニュースを見るたびに呟く日々です。



「壊れちゃいなよ」