今頃ガンダム00視聴 ファーストシーズン9、10話


第9話「大国の威信」
第10話「ガンダム鹵獲作戦」


 続いてる話だったので、まとめて。


 珍しく、一つの戦闘状況をじっくり描いた回。そしてそれが、けっこう見ごたえがあり。
 勤務体制のちょっとした不備からブリッジの周辺監視に齟齬、その間に敵の作戦にはまり、そこからセルゲイとスメラギさんの戦術の読み合い、駆け引きの末ソレスタルビーイング側がピンチに、という。この流れはスムーズだったし、緊迫感を生みながら話を引っ張っていけてました。そうそう、ピンチシーンをやるならこういう段取りが大切ね。


 その辺の駆け引き描写はけっこう楽しめたのですが、戦闘シーンの方はやっぱり何か違和感があるんですよねぇ。
 特にここでは、ヴァーチェがワイヤーでティエレンに捕獲されるシーン。
 普段は棒立ちの量産MSを一方的に壊して回っているヴァーチェですが、今回ティエレンの側が攻勢にまわって捕獲される場面になると、今度はヴァーチェの方がほとんど身動きせずに、棒立ち状態でワイヤーに絡めとられるのを待っているように見えたのですよ。ワイヤー飛ばされたからって咄嗟に下がろうとするとかいうアクションがあんまり感じられなくて。
 そういう意味では、なんか本当にGジェネとかスパロボの戦闘デモを見ているような感じさえします。その手のSLGゲームって、攻撃する側はぐりぐり動くけど、攻撃を受ける側はじっとしているもので(笑)。
 けれど、本来そこは、攻守それぞれがそれぞれの意思を持って行動する、そのぶつかりあいこそがアクションとして面白いハズなんですよね。
 00には、刹那のエクシアvsセルゲイの時のように攻撃→反撃という段取りはありますが、たとえば初代ガンダムガンダムvsグフの時のような、互いの攻撃が交錯するクロスカウンターな戦闘ってここまでほとんどないんじゃないかな。


 たとえば、シャア専用ズゴックがジムのコクピットをクローで貫く有名なシーンがありますが、あのシーンでヤラレ役のジムが棒立ちしていたかというと、よく見るとしていないんですよね。射撃をしていたのが、相手が思った以上に素早い動きで懐に入り込んで来たのを見て、咄嗟に逃れようと上半身を仰け反らせる。そういうカットが、短いけど入るわけですよ。それは、あの瞬間ジムのパイロットが取れる最善の行動で、けれどそれを上回るからこそシャアの技量が引き立つわけじゃないですか。


 アニメはゲームの戦闘シーンじゃないんですから、別々のキャラが別々の事を考えて、バラバラに動いたって良いんですよ。それらが同時に動いて、衝突するところから躍動感のあるアクションが生まれてくるのだと思うのですが、00の戦闘シーンはそこがイマイチ面白くないですね。なんかゲームの戦闘に毒され過ぎてる感じ。
 もしくは、やっぱり戦闘シーンにしても、説明的すぎて、こちらの身体感覚にあまり訴えてこないというか。



 話の展開そのものは、わりと面白かったです。アレルヤの二重人格(で良いんだっけ?)と、ヴァーチェの中からガンダムナドレと。
 ここまで散々、味方のガンダムパイロットとしての適性を云々していたティエリアさん、自分が失態を犯したら泣きだす。まぁ性格としては一貫してますけど、どうなんでしょうね。次回以降の彼の動向が微妙に気になります(笑)。
 で、だ。まぁガンダムなマイスターさんたちはまだ若いから良いけど、指揮官的な位置にいるスメラギさんが、状況判断ミスったからってボロボロ泣くのはどうなんでしょうかね。その位置にいる人がそんなセンチメンタルじゃ部隊がやっていけないだろ、とも思うのですが。ブライト艦長見習え! スメラギさん別に艦長じゃないけど!


 そんなわけで、戦力的にはともかく、組織としては非常に脆弱な部分を晒してしまったのでした。頼れるのはロックオン兄貴だけさ。兄貴超頑張れ。