今頃ガンダム00視聴 ファーストシーズン13、14話


第13話「聖者の帰還」


 刹那くんの故郷での話に一旦ケリがつく第13話。
 この話らしい盛り上がり方と、決着のつけ方でした。


 ていうか、よくよく考えてみると、一番メインの主人公ガンダムパイロットが中東系っていうのも凄いよなぁ、って思います。不思議と見ててあまり意識はしないんですが(刹那の肌の色もそこまで強調されてないし、刹那自身は日本に住んでるみたいだし?)、よくよく考えるとこれはなかなか画期的な事かも知れない。
 過去、たとえばGガンダムシャッフル同盟には中東系はいなかったし、ガンダムWではガンダムサンドロックが中国表記を直訳すると「アラブ石油王ガンダム」になるらしいですが(笑)、カトル自身は白人っぽいし。ターンエーのロランは黒い皮膚を持ってますが、中東系ではないのかなと思えますし。
 なかなか思い切った設定です。名前を漢字にしたのは、逆にこの設定から日本人の共感を得られにくいと思ったからですかね。
 ちなみにチラチラ明かされてる過去エピソードから、ロックオン兄貴はヨーロッパ系なのかな。で、アレルヤは人革連の超兵機関出身だからアジア・ロシアのどこかでしょう。出身国家を散らしてあるのも、特定の国や思想に与しないソレスタル・ビーイングの性格から配慮されてるんでしょうね。
 ティエリアだけその辺を予想する材料が今のところありませんが、このバラけかたから考えるとユニオンが掌握する領域のどこかか……もしかしたらコロニー出身のスペースノイドだったり?


 ともあれそんなわけで、なんだかんだと良い意味で邪推のし甲斐がある作品でありました。うん、これは放映当時に見ておくべきだったのかもしれない(笑)。



 さて、本編ですが。
 とりあえず刹那君がグラハムさんと遭遇する辺りがなんとも。民間人を装う刹那というのもなかなか珍しい絵でしたが。あっさり見破るグラハムさんはさすがというかなんというか。
 そして見逃してしまうあたりもさすがなのであった(ぇ


 で、治安が悪化して強盗殺人が起こったり、マリナさんのところに暗殺者が来たりと、鬱な展開が続きます。まぁ、鬱って言っても、これが普通な国もリアルに実際あるんでしょうけどね。
 くどいようですが。00という作品を(そしていくつかの平成ガンダム作品を)特徴づけているのは、こうした凄惨な事態に対する不快感と、それを何とかしたいという気分。そして、そうした気分は持っているにも関わらず、実際にはそれを見ている自分は世界でも有数の安全な国・日本に住んでいるというギャップなのでした。
 仮にそういう安全なところから何か言っても、結局部外者が安全なところから言ってる言葉に過ぎない。かといって自ら今の生活を捨てて、凄惨な現場へ飛び込んでいくほどでもない、けど憂慮はしているしニュースを見ているとそれなりにつらい。
 どこの陣営にもつかず、どこの国や思想も支持せずに戦争行為に介入していくというのは、だからそんな我々のもどかしさに端を発する発想で、この回のアレルヤが言う、世界に見せつけなければならない「ぼくらの意志」というのも、要はそういう部分なのでした。
 そうであればこそ、この話のクライマックスである、イスラムの指導者を保護して移送する場面はテレビ報道されなければならない。我々にとって、そういった戦争・紛争とつながる回路は基本的にマスコミしかないからです。従って主人公たちの意志も、マスコミを介して伝えられるという脚本になると。


 それと同時に、今回のエピソードが第一クールの最後の〆に持ってこられた事からも何となくわかるように、この00という作品でガンダムたちが戦っているのは、実は個々のパイロットたちではなくて、各陣営のトップなのでした。
 いわば、この作品がやってる事というのは、アメリカの大統領とか、EUの首脳陣とか、中国の国家主席とかロシアの首相とか、そういった人々に対してガンダムが(そしてこれまでガンダム作品が育ててきた想像力が)どこまで通用するかという一種の試行なのかなと思えたりするのでした。
 まぁ、それがそう簡単な話ではない、というのが次回以降の展開なのかなーという雲行きですが……。



 さて、前後しますがサーシェスvs刹那戦はなかなか良かったです。スピード感もあったし、セリフの応酬にも緊張感があったし。
 ただ、エクシアが押さえ込まれる→サーベルなどの近接武器で脱出、という展開は割とワンパターンなので、もうちょっと殺陣の工夫は欲しいところですけどね。0083のコウみたいに胸のバーニア噴かして不意を突くとか。あとは周囲の地形を利用するとか。なんかそういうバトルにおける駆け引きが欲しいなぁと思ったり。



 あと、件の「聖者の帰還」のシーン。マリナさんがようやく少しは毅然とし始めた感はありましたが、よりによってマスコミ衆人環視の中で刹那の名前を大声で呼ぶ(笑)。声拾われなかったのかな。まぁ拾われてたらお隣のサジさん家がパニック起こしてたでしょうが。
 そんなわけで、次の話。



   第14話「決意の朝」


 今回から新オープニング。
 とりあえず冒頭で、ノーマルスーツのまま地球に飛び込んでいく刹那君の映像に一瞬「死ぬ気か!?」と思ってしまった私であった(ぇ  ま、まぁオープニングだし、「※ご覧の映像はイメージです」ってところでしょうが。


 さて。プトレマイオスブリッジにて。ハレルヤさえ出てこなければめちゃくちゃ好青年なアレルヤ氏であった。ほのぼの。


 あと、ニコニコ動画のとある作品のせいで、ラッセの腕立て伏せシーンで思い切り噴いてしまった(えぇ〜


 一方、グラハムさんのところは部隊を大幅拡充ということで。編隊組んで飛んでいるのを双眼鏡で見て「あのエンブレムは○○じゃないか」「○○もいる!」みたいなのは雰囲気出てて良い感じ。こういうシーンは燃えます。
 といっても、グラハムさんには何か良からぬ噂も立っているようですが。それに対して「その疑いは戦場で晴らしてみせよう」と答えるグラハムさんはさすがだぜ。


 一方のコーラサワーさん。基地の外では無敵のスペシャルエースっぷりを披露してましたが(笑)、メガネの上官女性に殴られるや即座に惚れるあたりが、これもさすがというか何というか。なんて打たれ強い人なんだw



 しばらく居座っていたルイスママはここで帰国。これで本筋無視で進んでいたサジ君のてんやわんやもひと段落かと思いきや、今度はルイスさんがゴネる。そしてこのタイミングでお家に帰ってきた刹那君が巻き込まれるのであった。サジ君、そこは明らかに人選ミス(ぇ

刹那「平和だな……」

 ですよねー。



 スメラギさんとカタギリさんも何か話してましたが。とりあえずスメラギさん、その服で街を歩くのは犯罪だと思うよ(ぉ



 そんな感じで。役者がそろっての対ガンダム大作戦というわけですが。どうなることやら。そんなわけで続く。