今頃ガンダム00視聴 セカンドシーズン第5話、第6話


 とりあえず前回の記事の補足的に。
 ソレスタルビーイングが「感情で動いている」と書いたわけですが、今回見た部分も含めると、どうももう少し言葉を補った方が良さそうな気がしてきました。
 というのも、彼らがセカンドシーズンに入って、「敵はアロウズだ」と明言しているからなのですがね。つまり、ファーストシーズンの彼らとは行動目的がそもそも違うのか、と。


 イオリア某の構想の元、紛争根絶のための私設武装組織として活動したソレスタルビーイングですが、おそらくその目的は、世界が国家の枠を超えて一つにまとまった事で、とりえず果たされたんですね。
 つまり、彼らの作戦は終了したと。そして、失敗した。
 彼らが「世界を変えた」結果として、アロウズという組織が出来てしまったので、彼らは自分たちがやった事の「オトシマエをつける」ために、アロウズを「敵」として行動する事になったわけでありました。
 要するに、だから彼らにはカタロンを攻撃する必要も意図も存在しない、という事なのかなと。


 ただ、やっぱりそれって、ファーストシーズンに比べると行動理念がスケールダウンしてるんだよなぁ。


 どうも便利なモデルなのでまた援用してしまいますが(笑)、宇野氏の『ゼロ年代の想像力』にのっとって言えば、刹那たちは決断主義に走った各国の「バトルロイヤル」を止めるために、「決断主義とその結果としてのバトルロイヤル」が起こる、そのシステム自体を破壊・修正・変革しようとしていました。少なくとも私はそう思っていました。
 しかしセカンドシーズンで、特定の組織を「敵」として活動しているソレスタルビーイングは、結果として「バトルロイヤル」の1プレイヤーに堕してるんじゃないかと思うのですよ。もはや彼らは、バトルロイヤルが起こるシステム、土台そのものへの視座というのを持てなくなってるのじゃないか? と。


 だから、ファーストシーズンの最後でアレハンドロが「世界の歪み」として名指しされたり、またおそらくセカンドシーズンでも最後にリボンズさんがそんなような役割で出てくるのでしょうが、そういう特定の個人が「世界の歪みでーす」と言って出てくるような展開は、当初の問題意識からするとやっぱり違う気がするんですよね。
 刹那たちソレスタルビーイングの本当の敵は、大国の都合、貧困国の噴き上がり、宗教的急進派などなど、戦争を生み出すしくみ、システムだったんじゃないのか? と。だってそこを変革しない限り、「戦争根絶」なんて出来るわけないもの。
 その辺がどうなのか、って事ですね。とにかく、成功するにせよ失敗するにせよ、そこにトライしてくれない事には、私がこの『ガンダム00』に期待した甲斐がないという事になります。
 ……まぁ、ファーストシーズン序盤放映当時、視聴者がさかんに「大状況ばかり説明されてる」事に違和感を表明した結果なのかも知れませんが……。エンタメとの両立はやっぱりテーマ的に難しいってことなのかなぁ……。



第5話「故国燃ゆ」


 マリナ様、いくらなんでも、もうちょっと垢ぬけた服をお召しになって下さい(笑)。
それほとんど作業着じゃないですか……そんなだから通称が「貧乏姫」なんですよ(ぉ
 なんかPIXIVのタグでは「ジャージ姫」とか呼ばれてるよ?w 頑張れマリナ・イスマイール29歳。



 それにしても、GN粒子散布しまくって国家まるごと一つに嫌がらせとか、すごい事になってるのね。ファーストシーズンに比べてGN粒子も安くなったものだ。



 で、まぁさすがにカタロンとの共同戦線をソレスタ側は拒否。しかし秘匿義務があるハズの顔を晒したり、わりと規律はゆるゆる。


 一方のミスターブシドー。単独行動のライセンスを持ったワンマンアーミーですと?
 まぁ一期でも単独行動多かったですし、司令部も匙を投げたのか何なのか(笑)。
 しかしアロウズみたいな組織で、好き勝手できるライセンスを認めさせるって相当なもので。さすがグラh……ミスターブシドー


 そしてサジ君はカタロンからこっそり抜け出し。カタロンの番兵もお人よしなようで。
 しかしあっさり連邦につかまる。まぁ、元々あんな軽装で砂漠は渡れないという話もあるようで、なら助けられたも同然ですが。
 一般の軍人さんに殴られたりするも、セルゲイさん登場で一気に和む。まったくこの人はガンダム史に残るような善良な軍人さんだぜ。しかし部下が盗み聞きしてたせいで台無しでしたが。


 で、回り回ってアロウズ出動、カタロン基地がピンチに。オートマトンとかいう大量虐殺兵器も投入。
 ソレスタの人たちは救援に行くのかー。まぁ「敵」であるアロウズが来るんなら無視する手もないか。
 まぁ、こういう大量殺戮をやるような相手というのは、非常に分かりやすく「敵」なので、00セカンドシーズンの路線変更をするには便利な演出でもありますが。何気にファーストガンダムからZガンダムへの路線変更(?)でも、大量虐殺の要素を使ってますし。
 ジオンが、コロニー落としなど大量虐殺をしつつも、ランバ・ラルのような「敵にも敵の正義がある」といった描き方がされていたのに対して、Zガンダムティターンズは完全に、同情の余地のない敵といった描き方がされてましたし。そういう路線変更を視聴者に納得させる手段として、大量虐殺描写が使われていました。
 ちなみに、民間人の大量虐殺をやったら即「倒すべき敵」認定をされるのがガンダムの倫理基準。UC非UC関わらず、ガンダム世界において最もやってはいけないこと、ナンバー1です。
 そういうわけで、このオートマトンにはマイスターの皆さんも激しくお怒りの様子。


 ソーマ嬢もこれには動揺を隠せない様子ですが、さて……というわけで次。



第6話「傷痕」


 サジ君、ティエリアさんから激しく叱責される。ティエリアさんもファーストシーズンでの勘が戻ってきたのでしょうか(ぇ 
 それでも、ファーストシーズンのような無闇に当たり散らしてる感はなくなっています。ちゃんとサジ君の身を気遣って、カタロンの場に残しておかずに連れて行くわけだし。



 それにしても前から思ってたんですが、マリナ姫とシーリンってこんなに仲良かったっけ?(ぇ
 なんかひたすら嫌味な事を言っている印象しかなかったシーリンさんなのですが。セカンドシーズンだけ見ると普通に支え合う友人同士的な関係であります。


 スメラギさんは元AEUの人だったのね。同士討ちだったそうですが……過去がフィードバックされるだけで倒れてしまうあたり、やっぱ精神的には打たれ弱いなぁ。まぁ仕方ないといえばそうなのですが、指揮官がこれだと他のメンバーが気が気じゃないのぅ。


 ちなみに、この回で一番の笑いどころは、何といってもセルゲイの息子さんの


「……乙女だ」

 なわけですが。画面の前で思いっきりズッコケました(笑)。何を言い出すかと思えばw
 これでまたややこしい色恋沙汰発生ですか。サジ君も混ざってあれこれですか。まぁ別に良いけど。



 戦闘の方は、仲間をやられて怒り心頭に欲したロックオン弟が本気モード。そしてブシドー氏はダブルオーと激突。やっぱ刹那君、射撃も上手くなってたのか。
 一方、プトレマイオスに突撃するルイスさんと、それを迎え討つ砲台のサジ君。
 しかしなんですね。サジ君は、当初戦争とは無関係で、いわば視聴者視点と感覚を作中に持ち込む役割で。そしてティエリアさんの言うように、自分たちには関係ないという考えこそが事態をより酷くする事も確かですが、しかしだからって刹那たちのように引き金を引くだけが、では平和な国に住む我々が逃げずにやるべき事なのかと言われると、うーん? という気も。
 ファーストシーズンから、平和な国に住むサジ君の動向を、平和な国に住む我々とある程度重ねて眺めてた私ですが、いざ引き金を引く段になって、ちょっと首をひねっておりますが……。


 そんな感じで。
 あとどうでもいいけど、リボンズとそのお仲間の描写が、何というか少年漫画で敵の幹部級の、四天王とかそんな感じの人たちが主人公たちの戦いぶりを見つつ「次は私が仕掛けてみよう」とか言ってたり、なんかそんな感じになりそうで非常にアレなんですけど(笑)。
 なんか、あんまりガンダムっぽくないよね、あの辺(笑)。アレハンドロさんとかも、当初はZのジャミトフみたいに戦わない組織のトップが事態を眺めてる絵なのかと思ってたんですが、今思えばあれも水晶玉で主人公たちを見ながら自分の出番を待ってる魔王みたいな位置の人だったんですよね(ぇ 
 微妙だ。