星の王子さま


星の王子さま (集英社文庫)

星の王子さま (集英社文庫)


 4月4日読了。
 なんか、仕事に疲れたので癒しを求めて買ってみた(ぇ
 しかし実際読んでみたら、自分が子供の頃ほど純真でなくなった事を実感させられて、かえって凹んだのであった(笑)。
 いやほら、「大人というのは生きるという事の意味を何もわかっちゃいない、でも君たち子供はそういう時、寛大に大人と接してあげなければならないよ」的な事を言われた時にね、ああもう自分は、指弾されるべき大人の側にいるんだなっていう感覚になるわけです(笑)。さすがにこの歳で、無邪気に「そうだそうだ!」って言う気分にはなれないやね。


 すごく繊細な話。これは、童話や子供向けの話の名作は大抵がそうで、言葉ひとつ違っただけで壊れてしまいそうなほど、絶妙なバランスで保たれた世界なわけです。
 それでも、特に大人になってこれを読んだ読者にとっては、説教じみた話に思えてしまうかもしれない。そういう話なんだけど、だから巻末で訳者の池澤夏樹氏が、詩との対比でこの話を評しているのが凄く絶妙なアシストだと思ったり。そういう感覚はさすが池澤さんだなぁとか。


 読まずに想像していたのと、少しだけ印象の違う話でした。読んでよかったと思いました。