空気の発見
- 作者: 三宅 泰雄
- 出版社/メーカー: 角川学芸出版
- 発売日: 2011/01/25
- メディア: 文庫
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6月11日読了。
なんとなく書店の店頭で衝動買いした本。薄いながら、ほどよく自然科学系の雑学に触れられそうだったので、息抜き用に。
期待通り、いろいろと面白い豆知識やエピソードが手際よく語られていて、楽しく読みました。一応、子供向けに語りかけるような体裁の文章ですが、そこはそれ、文系人間にはこれくらいがちょうどよいw
ただ、内容は私が生まれる前後くらいのもので……別に内容が古いとかはそんなに無いと思いますが、価値観に多少距離を感じた面はありますねぇ。「疑問に思った事を自分で調べて確認する信念は善、偉い人のいう事を鵜呑みにするだけなのは悪」ぐらいは良いとして、「民衆の勝利したフランス革命は善、それ以前の王政は悪」とか、「地動説を信念のもとに唱えたコペルニクスは善、誤謬だらけの天動説を保持してた連中は悪」みたいな、単純な価値判断が時々顔を見せて、その辺はちょっと私の感覚とはやはり距離があるなと思ったり。
以前、池内了の本を読んだ時も、けっこうはっきり善悪を割り切った同様の論調が鼻についた事がありました。現代科学の精神は善、でも原爆作ったのは悪、みたいなね。科学畑のライターさんの傾向みたいなのがあるんですかね?
まぁ良いんですけどね。別に。
上記は偏屈者な私の戯言なので真に受けないでいただくとして。全体的には、入りやすくて面白い科学入門書だと思います。薄いから気楽に読めるし、気が向いたら読んでみてはいかがでせうか。
と、そんな感じで。