日本女性史


日本女性史

日本女性史


 7月24日読了。
 何となく日本のジェンダー史、みたいなことにも関心があるので、時々思い出したようにこういう本を読んだり。


 本書は女性執筆者のみで編まれた日本の女性の歴史。こういう本を書店で探してみたのですが、大抵は明治以降の女性史の本ばかりで、古代からの通史というのは新刊書店で探す限りだと、なかなか見つからず、ようやくこの本を見つけられた感じでした。
 けど、「女性の権利」を徐々に勝ち取っていった近代女性史は華々しくて一番耳目を集めるのかも知れませんが、やっぱりそれだけじゃなくて、しっかりと通史として把握する必要があるんじゃないかなー、などと思ったりもするわけで。



 で、この手の本を読むと、どうにも隔靴掻痒な印象を持つわけですが。つまり、歴史上の女性について、「実は女性がこんなに強い権限を持っていました」「やっぱり女性はこんなに虐げられていました」の二通りの記述しかないかのように読めてしまう。
 史料上、どうしても男性の記述が大半で、女性についての記述自体が少ないという根本的な問題があるわけなので仕方ない部分もあるのですが、やはり既存の歴史の流れに、オプションとして「この時代の女性はこうでした」と付け足すだけ、みたいな編集だと、女性の歴史が一本のストリームとしてなかなか見えてこないかな、という歯がゆさがあります。
 まぁ、過去刊行された、もっと何冊組にもなってるシリーズとか読めば解消されるのかな、とも思うのですが。
 なんかもっと、女性を中心に据えて日本史自体を一から書いていくような、そういう姿勢で臨まないと、本当の女性史って書けないんじゃないかという気もする。もしくは、歴史記述の方法論から考え直すしかないのかも、という感じ。


 なんて、アマチュアであるのを良い事に適当な事を書いてるわけですが。
 ともかく、もどかしいなぁと思いながら読んだわけなのでした。個別の話題では面白い記述もあちこちあって、楽しめたんですけどね。
 ま、余裕がある時に少しずつでも、ぼんやり考えていければいいなと思ったりします。