クロスボーンガンダムゴースト第3巻



 順調に巻を重ねているクロスボーンガンダム新章の第3巻。
 今回はバトルシーンは少な目で、主人公フォントの成長と、新MSのお披露目回といったところでした。



 サーカスの面々の描写や、Vガンダムの女性パイロットたちのノリなんかは、既存のガンダム作品とは離れた長谷川先生節全開な感じだったりするのですが、一方で地味に接触回線を重要な道具立てとして使ってみたり、Vガンダムにブーツアタックさせてみたり、やけにテクニカルな小技でガンダムファンのツボを押してくるので、非常にこそばゆい読み心地です(笑)。


 カーティスさんの述懐に、彼の過去を思い起こしてちょっとしんみりしたり。なんだかんだで面白くストーリーを追っています。


 しかし、娯楽作品として破天荒な事をいろいろやりつつ、よく見てみるとちゃんと時代に則した感覚が入ってるのだな、とも思えて、そこは確かにガンダム作品の一端を担っているのだなと思えました。バイオテロや、無関係の市民を人質化するテロリズムの感覚とか、あるいはサーカスに見られる現代的な傭兵の感覚とか。


 ある意味、サーカスの「一騎当千機」って『ガンダムW』の主人公ガンダムとか、『ガンダム00』ファーストシーズンのガンダムと同じ立ち位置なんですかね。そういうのを敵側に持ってくる感覚もなかなか面白い気がします。


 そして何より、現代のガンダムは否応なく、「テロリズム」の戦場で戦い続けるしかない、という事でもあるのでした。