平家物語 第十二巻


平家物語(十二) (講談社学術文庫)

平家物語(十二) (講談社学術文庫)


 ようやく読み終えました。三年前の春辺りから読み始めたのかな? 職場の休憩時間にちまちま読んでいた平家物語


 この第十二巻は、もう源平合戦は既に終結した後の、戦後処理的な内容。源義経が逆賊扱いとなって行方をくらまし、平家の生き残りが徹底的に狩り立てられて断絶し、そして最後に建礼門院の最後を語っておしまい。


 この巻は、そこまで私の琴線に触れる展開や注釈は無かったんですけどね。義経の追手として派遣された僧兵(でいいのかな?)が、逆に追い散らされて鞍馬山に逃げ込んだというのだけ気になったくらいですかね。捕縛されたのがよりによって僧正ヶ谷、義経が大天狗・鞍馬山僧正坊に兵法を習ったという曰くのある場所だったりして、なんか色々勘ぐりたくなる展開ではありました(笑)。


 あと、平家の生き残りである六代の助命に奔走した文覚長者も。なんか気になるんですけど、行基にせよ、東大寺勧進をした重源にせよ、その他さまざまな聖たちにせよ……日本の歴史に顔を出す、こういった遊行の仏教者たちの、なんとも言えない妙なバイタリティは気になりますね。本当、独特の存在感を放っています。
 この辺、もうちょっと色々探ってみても面白いかもなぁ……。


 そんなところで。
 ともあれ、学生時代にサボっていたツケで今頃古典作品をちまちま読んでいるわけですが。遅きに失した感が自分の中で非常に大きいのですけれども(笑)、それでもちょっとずつ挽回していこうかと思います。
 引き続き、引き続き……。