吉野ヶ里遺跡



 同成社の「日本の遺跡」シリーズ。今まで、個別の遺跡を一つ一つ紹介したシリーズと言うと新泉社の「シリーズ遺跡を学ぶ」の印象が強かったのですが、今回読んでみて同成社のシリーズもなかなか内容が良いなと実感しました。データが詳細で、かつよくまとまってました。
 実は小学校時代に吉野ヶ里遺跡に行く機会があったのですが、さすがにその頃の事はあまりよく覚えておらず。また、逆に吉野ヶ里くらい有名になってしまうと、日ごろ読んでいる本で学術的な成果の詳細が耳に入って来にくかったりするわけなので。もういっそこういう本で押さえてしまおう、という踏ん切りをつけたのですが、正解でありました。


 とりあえず、この手の本を読んでる間、自分の不勉強をひしひし感じて落ち込むのはいつもの事だから置いておいて……(笑)。弥生時代の遺跡から鉄製の道具が出たりする事はそんなに珍しくないかと思いますが、吉野ヶ里では鉄製の蝶番(ちょうつがい)が出ている、という話とか、なかなか興味深く。また、墳丘墓の様子なども、いろいろと面白い発見があったようで。
 詳しくはいずれ自分なりにまとめるかと思いますが。ともかく、発掘の様子、時代ごとの出土状況の整理、研究史への位置づけなど、非常に丁寧な仕事でありました。