装飾古墳の世界を探る

「考古学」最新講義シリーズ 装飾古墳の世界をさぐる

　やっぱり気になるわけですよ、装飾古墳。
　私の関心はもっぱら、諸星大二郎の『暗黒神話』『妖怪ハンター』なのでミーハーも良いところなのですが（笑）。気になるものは気になるので、こういう入門に良さそうな本を見つけた時は買ってみる事にしています。

　本書は実際に講義したのを文字起こししたものだそうで、大変分かりやすい内容でした。ものによっては、講義の筆録本って内容が薄くなったりする場合もあるんですが、この本は大変充実した内容、各古墳の基礎データや詳しい出土品などにもその都度言及されてて、個人的に満足。むしろそういう講義形式だからこそ、雑談的な流れで古墳発掘の際の裏話的な事が入るのもなかなか楽しかったり。古墳の壁画発見の前日の夜に、なんか予知夢っぽいものを見た、とか（笑）。

　装飾古墳そのものについても、かなり多方面の関連情報まで得ることが出来て、なかなか良い読書でした。特に、壁画はやっぱりそれをどう解釈するかという問題が出て来るのですけど、仮説は立てられてもなかなか実証というわけにいかない。そこで、それまでの様々な学説をちゃんと紹介しつつ、最終的に「今のところまだよく分からない」って言ってくれる学者さんはやっぱり素晴らしいなぁと。「分からない」が言える人の話はやっぱり信頼できる気がします。
　ここで得た知見はいずれ自分用ウィキに載せていくつもりですが……しかしなぁ、画像どうしようかなぁ……。内容的に当の壁画の画像がないとワケわからないんですが、一応許可なしに転載しちゃマズイんだろうなぁ……。どうにかならんかなぁ……。