ローマの休日
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- 発売日: 2011/04/28
- メディア: DVD
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見ていなかった定番映画を見るキャンペーン。とりあえず名作映画っつったらこの辺だろ、という大変適当なチョイスの元に借りてみた。
実は見てない有名映画といっても、何を隠そうほとんど何も見ていないわけなので、適当に思いついた映画のどれを選んでも未見なのだから、もう手当たり次第であります。元々、系統立てて順番に作品を追う、とか苦手だしな。
というわけでこれ。
なんか、あまりに名作の誉れ高いと、すごく高尚でとっつきにくくて事実上退屈、みたいなイメージが変にあったりしてしまうわけですが、見てみたらこれが、実に気楽でご機嫌な映画でございまして。もう始まりから終わりまで、ハッピーな気分でずっとニヤニヤしたり大笑いしたりしながら見終えたのでした。
完全に、よくできたコメディ、というかほとんどコントのような成り行きで。特に、事前に睡眠薬を摂取してたアン王女が、新聞記者ジョー・ブラッドレーの家に行くまでのコントっぷりがすごくて、もうずっと笑ってました。しかもそれを、世界最高レベルのハンサム俳優と女優が演じてるんだから、そりゃ面白いよなぁ、と。
他にも、タクシードライバーの運ちゃんがさりげなくノリツッコミを披露してくれたり、もうまったく堅苦しさとは無縁の、陽気でハッピーな映画でありました。
もちろん、ロマンティックなところはきちんと抜かりなくロマンスしてくれるし。
なんとまぁ、文句のつけようがない、というある意味もっとも感想を書きにくい作品でありました(笑)。なるほどねぇ、これが「映画」か、っていう実感が見終わってからしばらく去らなかった次第。
なんとなく印象に残ったのは、主人公のジョー・ブラッドレーで。彼が、すごく良い意味で「軽薄」だったのが、すごく良かった。他国の王族という、いわば歴史と権威と伝統その他もろもろを抱え込んだ存在が転がり込んできたのに対して、「特ダネになる」っていう、すごく軽い動機で関わっていくわけですけれど。その軽さが、いわば公務で押し潰されそうだったヒロインを救うわけです。
ラスト、荘厳な宮殿の中を、スーツ姿でポケットに手を入れて歩く主人公に、なぜだかすごく「アメリカ」を感じてしまったのでした。伝統とかそういう中で、その重さをキャンセルしてフランクに振る舞える、良い意味での軽さ。
正直なんの予備知識も無かったので、舞台がローマ、つまりヨーロッパなんだからヨーロッパ映画なのかな、程度の無知な認識で見たのですが、見終わってみるとこれはまぎれもなくアメリカ映画だな、と思わされたような気がします。
多分、ヨーロッパの人が作ったら、同じプロットでもこういう空気の映画にならないんじゃないか、という気がする。
そういうところも含めて、なんかすごく「やられたなー」という気分になったのでした。
いやぁしかし、良く出来すぎた作品ってのは、感想述べるのが難しいねw