サイコ


サイコ [DVD]

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 えーと。一応、ネタバレ注意。


 思いついたタイトルをランダムに借りて見ておりまして、脈絡もなくヒッチコック
 超絶恐がりなので、なんか心臓に悪い映画だったらどうしようとかビクビクしながら借りたのですが、幸いに私の許容範囲でした。
 ただ失敗したのが、当初、オリジナルの英語音声に日本語字幕で見られるの気づかなくて、日本語吹き替えで見てしまった事で。しかもキーパーソンのノーマン・ベイツの声をあててるのが、『F91』のシーブック・アノーの人だったので凄く気が散ってしまいました(笑)。


 見終わって、まず最初に思ったのは「あー、こういう話かぁ」というところです。恐らくこの当時は画期的だったのだろうと思いつつ、現在はこういう仕掛けの話って少なくないので(私の知ってる範囲で言えばまず思い浮かべたのは『姑獲鳥の夏』、その他にもコミック『Q.E.D証明終了』で時々こういうタネの話が出てきます)。そういう私自身の過去の記憶に加え、日本語吹き替え版で見てしまった事が加わって、「そういう話の一つ」として見てしまったというのがちょっと心残りでした。つまり、これを「エポック」として見るというのにちょっと失敗してしまった。
 まぁでも、こういうのはミステリ界隈では良くある事で……先行作品を後から見た私が悪い。



 そういう個人的な、この作品との出会いのミスマッチがあったにも関わらず、退屈もせずまた引き込まれて見る事ができたのは、やはり役者さんたちの演技の賜物なのでしょうね。特にノーマン・ベイツ役のアンソニー・パーキンスっていう人の。
 私はご覧の通り最近ようやく有名映画を見始めたばかりで、役者さんの名前はもちろん、演技の良し悪しを論評できるほどの見識もまったく持ち合わせちゃいないのですが、しかしやはり、思い返すだに、そういう事だったのだろうなと思わざるを得ない。例のシャワーシーンの直前、マリオン・クレインとの会話の微妙な噛み合わなさとか、やっぱり見ててドキドキするわけです。「微妙に会話が噛み合わない」って、下手なホラーシーンよりよほど怖いんだよね。そういうところで、結局引き込まれてしまうわけです。
 他にも、普通なら重要なキーアイテムであるはずの大金4万ドルがスルーされてしまってたり、色々な事が噛み合わないところが逆に変なリアルさで、なんとも異様な感覚でした。
 高校時代の友人が、「面白い作品はネタバレしててもそれなりに面白いんだよ」って言ってたけど、なるほどなと改めて思わないでもない。


 あと個人的に妙な所で盛り上がったのが、車のウィンドウを開ける時に、ハンドルをぐるぐる回して開けてるシーンを見た時でした。そうだった昔の車はそうやって窓開けてた! キャー懐かしぃぃぃ! って一人で身悶えてました(笑)。久しぶりに見たよあれ。
 なんか、懐かしネタ探しに古い映画を見ているような側面も無いではないw


 そんなこんなで。やはりなんだかんだで面白く、他のヒッチコック作品も見てみようかなという気になりました。まぁ例によって、少し間を空けてにしますけれども。
 さて、次は何を見ようかね……。