レベッカ



 ツイッターのフォロワーさんにすすめてもらった、ヒッチコック作品。白黒です。


 ヒッチコック作品はここまで、ほぼ毎回テイストが違う事に驚かされ続けているんですけど、本作もここまで見たどれとも違う感じでした。多くの使用人を抱えるイギリス大富豪に嫁いだ若妻の奮闘記的な前半部分が、わりと長く続きます。こんな作品も撮れるのか、と素朴に驚き。
 まぁ、女性ヒロインが家庭内ルールの違いに戸惑う、みたいな一種お昼のドラマ的な部分は私の苦手な要素も含んでいまして、映画開始から中盤くらいまでけっこう難しい顔で見ていたかなと思うのですが。後半に入って事態が動き出すと、俄然面白くなってきまして、最終的にはその二転三転する展開の意外性と畳み掛け方にすっかり満足させられた、という感じでありました。
 なんだかんだで、ヒッチコック作品は序盤の趣向は多彩で、引き出しの多さに感心させられたりするのだけれど、最終的には安心と信頼のヒッチコック流サスペンスに合流して来てハラハラさせられて終わる、という流れが多いような気がします(笑)。個人的に、このヒッチコック流サスペンスが好きなわけなので、どんな趣向の違う作品でも最終的には満足できるからお得な感じ。


 いやーしかし、生来のものぐさでマナーやしきたりの類いが大の苦手な人間としては、なかなかヒロインのおかれた境遇は見てても辛いものがありましたw やっぱ小市民が一番であるなぁ、と思うなど。
 さて、まだもう少しヒッチコック作品を見ておこうかと思っておりますが、果たして次はどんな手管を使って来るやら、楽しみであります。