機動戦士クロスボーンガンダムゴースト 8巻



 私とした事が、この作品の新刊発売をうっかり見逃していたので、少し遅れてしまいました。ようやく購入、読了。


 このシリーズに関してはもう、毎回ずっと褒めっぱなしなんですけれども、今巻もやはり素晴らしいの一言。長谷川先生のちょっとB級寄りの作風と遊び心が、宇宙世紀0150年代にジャストフィットしており。おそらくドッゴーラを描かせてこれほど活き活きとアクションに絡めるについては、ガンダム漫画家多しと言えども長谷川先生の右に出る者はおりませんでしょう(笑)。
 またファントムに変形機構があったというギミックも大変私好みですし、その核ミサイル撃破までの、たっぷりと尺を使った細部の描き方は、通例ガンダム作品が描いてきたのとは違うベクトルでの盛り上がりを感じさせますし、だからこそ「ガンダムらしさ」という狭い指向性に限定されない味が出ていたと思います。
 「ガンダム」から離れずに、「ガンダム」を使って、「ガンダム」に無かった新しい要素や物語やテーマを引き込んでいくこと。まるで無理難題のような、けれど「ガンダム」という作品世界が今後尻すぼみにならないために絶対必要な、そういう仕事を今巻でも見せてくれたような気がしました。


 フォントの変調とも合わせて、また物語は別の側面を見せてくれそうで、楽しみです。実に楽しい時間でした。