エッダ


エッダ―古代北欧歌謡集

エッダ―古代北欧歌謡集


 書店店頭で見かけて、なんか放っておいたらそのまま品切れ絶版、古書店でしか手に入らないコンボが発生しそうに見えたので勢いで購入。前々から気になっていた北欧神話や英雄叙事詩を収めた歌謡集です。


 単著としては、若干読みにくさはありました。大量の固有名詞、断片的なパートの集まりで、これだけで全体像をつかむのはちょっと辛いかも、という感じ。入門書や概説書を挟まずに原典に当たると、こういうゴツゴツした手触りで戸惑ったりすることがあるものです。


 とはいえ、読み味としてはなかなか面白かったですね。ようやく北欧神話に触れられたという楽しさもあったし、またエンタメ小説やアニメ、漫画で見かけた名前や用語が次々出てきて、あぁネーミングの元ネタがここだったのか、というのが異様にたくさんあったので。ギリシャ神話よりも多かった気がしますね(笑)。ラグナロクベルセルク、ヨーツンヘイムにヨルムンガンドユグドラシルフェンリル、と。この感想を書いている時点で放映中のガンダム作品『鉄血のオルフェンズ』の敵組織、「ギャラルホルン」というのも北欧神話からのネーミングなんですな。知らなかった。
 なんかこう、和製RPGや日本的中二病想像力の故郷に触れたような感触があって、なぜか懐かしいような気分にもなったりw


 英雄シグルズの話は、以前読んだ『ニーベルンゲンの歌』と同じ原型から派生した物語のようで、ある程度イメージを思い浮かべつつ差異に注目して読めたのも、結果として良かったと思います。


 なんかこう、北欧神話って想像してたよりも殺伐としてるな、とか、『ニーベルンゲンの歌』でもそうだったけど、ゲルマン系(って括りで良いのかな?)の神話や英雄叙事詩の、結末が破局で、しかもその破局を予言とかそういう形でたびたび予告していくこのスタイルは一体何なんだろうかなー、などと思ったり(笑)。


 まぁ、単純にいろいろと示唆も受けました。その辺はまた随時、自分用wikiに放り込んでいきたいと思います。


 そんな感じで。地味だけどまた一つ、重要なところを押さえられたのかな。またいずれ、機会があったら北欧神話ももう少し掘り下げたいところです。