旧約聖書外典(上・下)


旧約聖書外典(上) (講談社文芸文庫)

旧約聖書外典(上) (講談社文芸文庫)

旧約聖書外典(下) (講談社文芸文庫)

旧約聖書外典(下) (講談社文芸文庫)


 現在続けている古典読みですが、一応、延々とこればかり続けているつもりはなくて。飽くまでも自分の実力の底上げのためであり、いずれは終了する予定です。それも、できれば早めに。
 なので何もかも読んでいられないという気持ちもあって、読む読まないの選定はけっこう考えています。
 本書についても読もうかどうしようか迷っていたのですが……結果的には、読んで大正解でした。


 西洋魔術周辺をうろうろしていると、ソロモン王の名前をわりと見かけたりするわけですが、旧約聖書の列王記を読んだだけでは、なぜそうなったのかあまりピンときませんでした。それが、本書、外典所収の「ソロモンの知恵」の方からは、のちの魔術とかそっち方面につながるような記述がチラチラ見られて、あぁなるほどとなったわけです。
 他にも、ビヒモスとレヴィアタンの名前が出てきたり、巨人の出自と性質についての言及があったりと、主に私の魔術とか怪物とかへのイカガワシイ関心にビビッと響くような記述が多くて、ああこれは読んで良かった、とw


 また、黙示録といえば新約聖書ヨハネ黙示録しか知らないわけですが、実際には「黙示文学」という1ジャンルがあるぐらい、いろんなものが残っているのですね。その辺も含めていろいろと示唆を受けました。
 そんな感じで、久しぶりに私の伝奇脳が活性化される楽しい読書でした。これは新約の外典も読まねばなるまい